ID : 10408
公開日 : 2009年 2月 9日
タイトル
就労面談会:不況のあおりで列 林業、230人
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20090208ddlk40100204000c.html
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元urltop:
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写真:
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林業への就労者を募集する面談会や福祉・介護への就業を促す相談会が相次いだ。会場には不況のあおりで失業し、職を求める人も多く訪れていた。
◆林業
◇仕事説明に230人
林業の担い手を募集・育成するための相談会「森林(もり)の仕事ガイダンス」(主催・県林業労働力確保支援センター)が7日、福岡市で開かれた。不況で雇い止めや早期退職が相次いでいることもあり、午前10時の開
始前に約70人の行列ができた。この日は約230人が訪れて仕事内容、求人状況を熱心に聞いた。
林業従事者は減少と高齢化が進んでいる。国内の森林の4割を占めるスギ、ヒノキなどの人工林の荒廃を食い止めるために林野庁が01年度から行っている「緑の雇用担い手対策事業」の一環。ガイダンスは全国各地
で開かれており、福岡では8回目。
福岡、佐賀、長崎、大分4県の森林組合や企業、林業関連団体が相談ブースを設け、下刈りや植林などの仕事の内容や全国森林組合連合会が行っている就労支援「緑の研修制度」ついて説明した。
昨夏、勤務先の食品関係会社が倒産し職を失った筑紫野市の男性(43)は「どんな仕事かと興味を持ち来てみました。本当は20年間していた営業の仕事がいいが、なかなか見つからない。林業の仕事も悪くないと思
いました」。一方、40年間勤務したゼネコンのリストラで年末に早期退職したという久留米市の男性(57)は「県内で林業関係の来年度求人は18人と聞いた。求人の少なさと年齢を考えれば自分は難しいでしょうね」と話
していた。【斎藤良太】
◆福祉・介護
◇採用に慎重論も
人手不足に悩む福祉・介護分野に、失業者の就業を促す「福祉の職場合同就職面談会」(県社会福祉協議会主催)が6日、春日市であり、昨年の1・7倍の約1300人が参加した。「人材確保の好機」と採用に積極的な施
設が多い一方、現場には「好きでないと続かない」「研修を受けてから来て」との声もある。
高齢者関係など131法人(求人数892人)が面接のブースを開設。福祉・介護分野の経験がない失業者向けに、就労体験や施設見学を紹介する相談窓口も設置された。
今年、特別養護老人ホームを3カ所に開設する社会福祉法人の担当者は「100人募集しているが、介護職は『きつい』『給料が安い』というイメージがあり、半数程度しか集まらない。今は採用の好機」という。
2年前、環境関連企業を解雇された飯塚市の男性(44)は「景気悪化で仕事が見つからない。福祉・介護の経験はないが、求人数が多いのでチャレンジする」とブースを回った。昨年10月に会社都合で退職した福岡市
の男性(51)は「就職活動はものすごく厳しい。介護職に興味はあるが、年齢的に体力や給与の面で続けられるか不安」と話した。
県介護福祉士会が1月、介護福祉士95人を対象に実施した緊急アンケートによると、失業者の介護分野への就労支援について、46人が「おかしい」「どちらかと言えばおかしい」と回答。「良い動き」「どちらかと言えば
良い動き」は36人だった。「相手は機械ではなく生身の人間。好きでないとできない」「給与が改善されないと続かない」などの意見があった。
同会の因(いん)利恵会長は「未経験者はまず現場を見て、資格取得の助成制度を活用して勉強してほしい。現場の介護職が辞めていくような雇用条件を改善する国の施策も必要」と話す。【