ID　：　10048

公開日　：　2009年 1月　7日

タイトル

新宮崎の宝／４　椿山森林公園　

新聞名

毎日新聞

元URL.

http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20090106ddlk45040519000c.html

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写真:

　

世界有数のツバキ園
　車で国道２２０号線を南下、県総合運動公園手前から今度は西へと向かう。椿山森林公園は、宮崎市鏡洲（かがみず）と、北郷町の境にそびえる椿山山頂に広がる。
　その名の通り、ツバキの名所だ。しかし、世界でも一、二を争う規模であることはあまり知られていない。その数１１００種、５万本。学名、カメリア・ジャポニカ。日本が原産だ。品種改良も進み、現在、国内に約２０００種 以上あるとされるが、その半分をここで観賞することができる。通常、ツバキには香りがないが、ミナトノハナ、ミナトノカオリといった甘酸っぱい香りを漂わせる珍しい品種もある。
　宮崎市が市制施行６０周年を記念して、９０年に開園した。一帯がヤブツバキの自生地だったことに目をつけ、「世界一のツバキ園」を目指した。いまなお、整備、植林が続けられている。季節になると競うように花をつ け、山は赤やピンクに染まる。
　０３年、国際ツバキ協会会議が、面積、本数などで他に例を見ないとして、国内で唯一「国際優秀ツバキ園」として認定した。同園を管理する高妻貞昭さん（６７）は「名実ともに世界有数、日本一のツバキ園だと証明さ れた」と誇らしげに振り返る。４１ヘクタールの広大な園を、市の指定を受けた３人だけで管理する。
　ただ、「認定は小さなパンフレットの片隅に印刷されただけ」と日本一に見合わぬ知名度に不満もある。
　通常、ツバキの開花は２～４月にかけて。いわば、残り９カ月は花のない樹木でしかない。年間約３万人が訪れるが、３分の１は、ツバキのシーズンに集中する。もっとも高妻さんに言わせれば「ツバキは花の美しさだけ ではなく、つややかな葉、形の良い幹などすべてが魅力的」だという。
　標高４００メートルの山頂まで車で行ける。高台からの眺望を眼福としたい。双石（ぼろいし）山、日向灘、市街地が一望できる。園内には、江戸時代に飫肥藩が参勤交代の際に使ったとされる石畳状の「殿様道路」も７０ ０メートルにわたって残っており、殿様も眺めたであろう「風景」を楽しむこともできる。【

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