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ID : 10031
公開日 : 2009年 1月 4日
タイトル
行政・政治 : 絶滅危惧種ヒメバラモミ保護へ 富士見町に採種林造成
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新聞名
長野日報
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元URL.
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=12997
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元urltop:
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写真:
 
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長野県を中心に自生する針葉樹の希少種で絶滅危惧種にも指定されるヒメバラモミの遺伝子を残そうと、中部森林管理局は従来の造林事業とは違う形の「ヒメバラモミ保護管理調査事業」を八ケ岳の国有林内 などで展開している。ヒメバラモミが現存するのは八ケ岳と南アルプスの両地域。ここで採取した穂木を接ぎ木にし苗木として育て、八ケ岳の富士見町内の国有林に戻して新たに種を保存するための採種林を造成する 。
 ヒメバラモミは氷河時代には全国に分布していたとされるが、現在では比較的標高の高い谷や沢筋のほか、わずかに神社境内などに残されるように生えているのが現状で、自生するもので数百本程度だという。
 このため、残っている分布状況を明らかにして次世代にヒメバラモミのDNAを残すのが事業の目的。今あるヒメバラモミのクローンとして接ぎ木による苗木を育て、林に植栽して種の性質を保存していく。木材を生産 する通常の造林事業とは目的が違い、採種林は将来の研究資料としても活用される。
 同事業は2004年度(平成16年度)に始動。当初は6年間で行い来年度植樹の予定だったが、苗木の生育状況から期間を1年延期して10年(同22年)の4月から5月にかけて植樹する。
 採種林は南信森林管理署が管理する八ケ岳の西岳国有林に造成する。八ケ岳で育っていたものと南アのものと植える場所を分け、それぞれに1ヘクタール余りの規模を確保。2カ所は、八ケ岳の種と南アの種が交わら ないよう約2キロの間隔を置いた。
 苗木は現在 、北海道江別市の育種専門機関で育てられている。八ケ岳では原村や富士見町、川上村、山梨県北杜市などに残る75の個体から穂木を採取。南アでは伊那市や大鹿村などの68個体から採取した。この 中には原村天然記念物や、川上村の県天然記念物の木も含まれるという。4,000本を超す接ぎ木をして活着したのは900本余り。予定では、各採種林に360本ずつ苗木を植える。
 ヒメバラモミの苗木の間にカラマツも一緒に植林していく。これは苗木同士の間隔が広いと幹よりも枝葉が茂るためだといい、カラマツと競わせて育てながらカラマツを順次間伐していくという方法で育てる。
 同管理局では「現在、ヒメバラモミの造林はまったくやっていない。今回の事業は希少性の高い種の分布を明らかにし遺伝子を保存するのが狙い。採種した個体ごとにDNA調査も進めている」としている。
 造林作業に向けて鹿対策の保護柵の設置も行う予定。30年ほどたてば、樹高20メートルほどの立派なヒメバラモミの林になるという。
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