ID : 873
公開日 : 2006年 4月25日
タイトル
アオリイカ増へ産卵床 宿毛の市民グループ
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新聞名
高知新聞
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元URL.
http://www.kochinews.co.jp/0604/060426headline05.htm
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元urltop:
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写真:
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宿毛湾のアオリイカを増やそうと、間伐材の枝葉などを使った産卵床がこのほど、宿毛市の鵜来島沖に設置された。産卵床は幡多郡大月町柏島のNPO「黒潮実感センター」が5年前から取り組んでいるが、
今回は養殖小割りを再利用した“進化型”で労力が大幅に軽減。関係者らは成果を期待している。
鵜来島周辺はイサギなどの好漁場だが、漁業者の高齢化や魚価の低迷が深刻化。そこで、市民グループ「すくも夢いっぱい会」の「海に生きる部会」(中山達男部会長)などが、高値で取引されるアオリイカを増やし、島
の活性化につなげようと企画した。
黒潮実感センターはこれまで、海底に打ち込んだ鉄製のくいに間伐材の枝葉を結び付けて産卵床を作ってきた。ただ、これだとダイバーの水中作業が大変。そこで、古くなり廃棄される予定の養殖小割りに枝葉を結び、
海底に沈める方式を考案した。
作業には同市や市森林組合、すくも湾漁協、建設業者らのほか、環境学習の一環で大島小学校(同市片島)の5年生36人も参加。宿毛湾の岸壁で杉とヒノキの間伐材から枝葉(長さ2―3メートル)を剪定(せんてい)した
。
約9メートル四方の鉄製の小割り4基をクレーン付きの作業船に載せ、船上で小割りに枝葉を結び付けた後、鵜来島沖(水深約20メートル)に沈めた。市が25万円を補助したが、ほとんど関係者がボランティアで行った
。
中山部会長は「アオリイカが増えれば、遊漁客を呼ぶ観光プランも考えたい。美味で知られるアオリイカが宿毛湾の特産品になれば」と期待を込める。産卵状況の調査も担当する同センターの神田優センター長は「養
殖小割りを活用するのは全国初。鵜来島方式が成功したら他地域にも広めたい」と話している。