ID : 9246
公開日 : 2008年 11月 4日
タイトル
豊かな森林守りたい 東濃ヒノキの林業体験
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新聞名
岐阜新聞
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元URL.
http://www.gifu-np.co.jp/tokusyu/nie/hiroba/200811033.htm
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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緑の山林や根ノ上高原など豊かな自然に恵まれた恵那市東野、東野小学校の5年生児童13人が、社会科の「森林を守る」と総合的な学習の時間に、校区内にある東濃ヒノキ植林地で、ヒノキの間伐作業と枝
打ち作業の林業体験学習を行い、地場産業の「林業」について理解を深めた。
同校は、東濃ヒノキの産地である地元を知る学習活動を推進。毎年3月には6年生が卒業記念で、根ノ上高原に東野生産森林組合(藤田計明組合長)の協力でケヤキやハナノキなどを記念植樹。阿木川ダム湖畔に巣箱
の設置や明治期に東野の山林をボランティアで植樹した静岡県の金原明善の生涯を紹介する紙芝居を使った学習などで森林の大切さを学んでいる。
林業体験学習は森林の役割と
間伐方法の説明を受ける児童=同
、多くの人の手で森林が維持されていることを体験を通して学び、自分たちの住んでいる東野の森林について学ぼうと東野生産森林組合の協力で、同組合管理地の花無山ヒノキ林で、同組合役員の余合和武さんら組合
員7人が先生役になって実施した。
山林の役割や東濃ヒノキの育成などについて余合さんらの説明を聞いて学習した後、2、3人ずつグループに分かれて枝打ち作業を体験した。
ヘルメットをかぶった児童は、組合員に「ノコギリは引くときに力を入れるんだよ」などと、ノコギリの使い方を教えてもらい、背の届く範囲にある枝を次々と切り落として枝打ちを体験した。枝打ちを済ませた約10アール
のヒノキ林に長谷川真理さんは「思ったよりたくさん枝を切ことができた。枝打ちをした後の森は1本1本の木がすっきりしてスペースが増えた気がしました」という。
休憩後は間伐作業。組合員の指導で10―20センチのヒノキ約30本を切り倒した。児童らは、真剣な表情でノコギリをひいてヒノキを切り倒す間伐を行った。渡辺誠吾さんは「5本ぐらい倒しました。すごく力のいる仕事
でした。力仕事は得意分野なので、楽しかった」と初めての山仕事に取り組んだ感想を話す。
西尾純平さんは「切るときはヒノキのいいにおいもした。うまく切れたのでよかった」、伊藤梓さんは「私は木をノコギリで切ったことがなかったが、先生が優しく教えてくれたのですぐにコツをつかみました。疲れたけど楽
しかった。こんな貴重な体は一生に1度かもしれないので、しっかり覚えておきたい。もう少し作業がしたかった」と初めての林業体験を振り返る。渡辺莉子さんは「木のくずは湿っていていいにおいがしました。雨の水で
湿っていると聞いて、雨水をスポンジみたいに吸収してすごいなーと思った。とてもいい体験ができてうれしかった」という。
間伐作業で切り倒したヒノキは、学校に持ち帰り、鉛筆立てや文鎮に加工して児童に記念として配布。また、地域の人を学校に招いて開く収穫祭でたきぎなどとして利用するという。