ID : 837
公開日 : 2006年 4月20日
タイトル
新卒女性がトライ・ウッド(上津江町)入社 「きゃどん」目指し懸命 専攻生かし夢広げる
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新聞名
西日本新聞
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元URL.
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/ooita/ooita/20060421/20060421_001.shtml
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元urltop:
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写真:
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日田市上津江町の林業会社「トライ・ウッド」にこの春、大学を卒業したばかりの女性2人が就職した。「森づくりにかかわりたい」という一心で、縁もゆかりもない場所に飛び込んだ2人。初めての仕事や林業の
現状に戸惑いながらも、早く一人前の「きやどん」(森で働く人)になろうと懸命だ。14、15日には、初の大仕事となる「九州森林フォーラム」の受け入れを担当、資料作成や受け付け業務に走り回った。
宮崎県三股町出身の堂村亜紀子さん(24)は、奈良女子大大学院で景観デザインを学んだ。学生時代は、奈良や京都で林業体験ツアーに参加。トライ・ウッドが行っている「きやどん体験」事業に興味を持ち、グリーン
ツーリズム、アグリツーリズムを自分で企画したい、と入社した。
ふるさとの三股町で過ごした子ども時代、運動場よりも学校の裏山で遊ぶことが多かった。大学の研究でも、無意識に山の中の場所を選んで、景観を考えていた。昨年11月にあった入社面接では、学生時代の研究成
果などを持ち込んで、熱意をアピール。今春に新設された「企画推進室」に配属された。
14日、フォーラム参加メンバーに随行して初めて津江の山に入った。推進室の先輩、藤川靖治さんが「山は、工務店や木で家を作る消費者があってこそ成り立つ。今度、企画推進室を作りました。山の人間が、どう街の
人に訴えていくのかが大事です」と、メンバーに訴えていた。
「不安でいっぱいです。何で自分がいきなり企画部門に入ったのか…」と戸惑いも見せていた堂村さんだったが、藤川さんの熱弁を聞きながら「本当は、私に向かって言ってるんじゃないか」。自らへの期待の大きさを感
じ、気を引き締めた。
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熊本県天草市出身の牧田絵里子さん(22)は、宮崎大で森林管理を専攻、大学演習林で林業実習の経験も積んだ。林業の現場を知るとともに、環境教育をやりたいとの思いで入社した。
大学進学時、森林管理を選んだのは、中学校時代の先生の影響があった。国語の先生だったが、授業では地球温暖化問題や京都議定書の記事などを生徒に配布。それを読んで自分の考えを発表したり、書いたりした
。法学部志望だったが高校3年の時、森林について学ぶことを決めた。
加工生産課に配属された。木材の注文を工務店などから受け、自社工場へ発注する仕事だ。慣れない数字や単位を言われ、電話口で頭が真っ白になることもあるが、14日の現場視察では「学生時代に机上で学んだ
知識が、実際に間伐の現場で使われていて感動してます」と目を輝かせた。
実はトライウッドの採用通知をもらう前、住宅メーカーへ就職が決まっていた。大学の同期生の多くも住宅メーカーに就職。給料面だけを考えればそちらがよかったが、トライ・ウッドの採用連絡を受けた後、一週間悩ん
だ末に決断した。「お金は食べていける程度あればいい。一生の仕事なら、やりたいことをやるべきだ」。現場で間伐の仕事もやってみたいと思っている。