ID : 9093
公開日 : 2008年 10月16日
タイトル
御柱の森に樹皮ネット 東俣国有林鹿の食害防止で
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新聞名
長野日報
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元URL.
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=12215
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元urltop:
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写真:
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南信森林管理署(竹内正比古署長)は15日、下諏訪町の東俣国有林内にある御柱の森観音沢林道付近(標高約1450メートル)で、モミの木の御柱用材を鹿の食害から守るため、大木約90本に樹皮ネットを巻く
作業を行った。「下諏訪町民の森林(もり)・東俣国有林を訪ねて」と銘打ち、御柱の森づくり協議会、一般町民ら約60人が参加。国有林内の間伐事業、治山工事も見学し、同国有林の現状に理解を深めた。
同国有林約1700ヘクタールのうち御柱の森は約383ヘクタール。2002年、御柱用材を育む会、同町、諏訪大社、諏訪大社大総代会、観光協会、町木遣保存会などで構成する御柱の森づくり協議会と、同管理署が協定を
締結して設定した。各団体が連携、協力して森づくりを推進している。御柱の森内で御柱用材になりうるモミは約990本あるという。
同育む会が6月、御柱の森で実施したモミの鹿食害調査で61本の被害木を確認。昨年10月の第1回調査より32本も増加した。同管理署は例年、育樹祭として森林整備体験を実施してきたが、食害が増加する中で樹皮ネ
ットの取り付け体験を取り入れた。
御柱の森内ですでに300本余のモミに樹皮ネットを巻き、食害防止の効果を実証。この日作業を行った観音沢林道付近は、食害が少ない場所だが、ネットを巻いて被害を未然に防止した。
数人のグループに分かれ、直径約30-70センチある樹齢100-200年のモミ1本につきポリプロピレン製ネット(約140センチ×90センチ)5、6枚をつなぎ合わせ、根元から高さ約2メートルまで巻きつけた。ネットは10
年以上もつといい、樹木が成長してもネットの跡がつかないよう、余裕をもってつなぎ合わせた。
竹内署長は「モミの大木と八島ケ原湿原があり、重要な水源、緑のダムになっている素晴らしい宝である東俣国有林を、恩恵を受ける地元の協力で守っていきたい」と話していた。
同管理署は20日から狩猟解禁前日の11月14日まで、同国有林内にくくりわな30基を仕掛け、鹿15-20頭を捕獲する予定。同育む会は26日にも、樹皮ネット設置作業を行う。