ID : 9092
公開日 : 2008年 10月12日
タイトル
6カ国で植林、100年計画 東京海上日動火災保険・隅修三社長
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081013ddm008020021000c.html
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元urltop:
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写真:
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地球温暖化に伴う環境の激変は、台風や豪雨などの自然災害の保険業務を取り扱う損害保険会社にとっても重大な問題だ。国内トップの東京海上日動火災保険は、99年から東南アジアなどでマングローブ
植林活動を続けている。隅修三社長に取り組みを聞いた。【聞き手・辻本貴洋、写真・塩入正夫】
--マングローブ植林活動を始めるきっかけは何でしたか。
◆99年に会社創立120周年を記念して社員からアイデアを募ったところ、1000ほどのアイデアが寄せられました。その中から、世界で活動する企業として地球環境保護のために植林をすることに決めました。年1~
2回、社員や代理店の職員とその家族からボランティアを募り、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、フィジーの6カ国で現地の人々と植林をしています。
--2月にタイを訪れたそうですが、植林を通してどんなことが見えましたか。
◆植林する海岸線はエビの養殖のために伐採して荒れてしまっていた。植林すると、地元の人たちの環境に対する認識が高まり、経済の活性化にもつながります。それにしても、子供たちの素直で明るい笑顔には心洗
われました。昔の日本にあった風景ですね。
--社員の意識にも変化がありますか。
◆ボランティア旅行は基本的に自費ですが、参加希望者が列をなしています。参加者は帰国後、さらに意識が高まり、小学校で子供たちに植林の模様を伝える講師などもしています。
--07年に発表した会社の環境戦略のコンセプトは。
◆これまで社内で個別に取り組んできた対策を系統立ててまとめました。災害リスクを保険商品に組み込んで販売している我々にとって、気候変動のリスクを減らすことは最大のテーマで、東京大学や名古屋大学など
と共同研究をしています。
--保険の契約書に当たる約款を発行せずにインターネット上で閲覧する「ウェブ約款」はユニークですね。
◆保険は商品が複雑なこともあり、説明に大量の紙を使います。そこで、約款をインターネットで閲覧してもらうようにしました。来年から「紙は不要」と申し出てもらうと、マングローブを2本植林します。二重、三重に温
暖化防止の効果が生まれます。
--今後の環境問題への取り組みは?
◆植林活動は100年続けることを目指しています。10年継続して植林面積は5300ヘクタールと大きなスケールになり、年間3万トンの温室効果ガスを吸収します。あと2年もすれば、東京海上グループで年間に排出
する7万トンを吸収するようになります。子供、孫の時代にどれだけいい環境を残せるかは重大な責務であり、地道な活動で貢献したいです。
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■人物略歴
◇すみ・しゅうぞう
早稲田大理工卒、70年東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)入社。07年社長、ミレア(現・東京海上)ホールディングスの社長も兼務。山口県出身。61歳。
毎日新聞 2008年10月13日 東京朝刊