ID : 8997
公開日 : 2008年 10月 7日
タイトル
温暖化防止へ林野庁が森林整備強化 「定額助成」で間伐スムーズに
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新聞名
フジサンケイ ビジネスアイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200810080010a.nwc
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元urltop:
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写真:
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地球温暖化防止を目指す京都議定書で日本が公約した6%減のうち、3.8%を占める「森林吸収」を確実なものとするため、林野庁は、二酸化炭素(CO2)の吸収源となる森林の整備事業を強化する。林業
家や地方自治体が利用しやすい助成制度を2009年度に新設するのを機に、間伐などを一段と進める計画だ。
林野庁は07年度からの6年間で、当初計画より120万ヘクタール上積みし、合計330万ヘクタールを間伐する計画を打ち出しており、この施策だけで年間2000億円規模を国家予算から支出する予定。「09年度から
の新規施策などで、この間伐計画達成を確実にしたい」(森林整備部計画課)考えだ。
そのため、政府の助成制度の方式を09年度から一部変更する。
目玉の一つが、全体額の何%を支出するとした従来の「補助率制度」から、決まった金額を支出する「定額制度」への移行だ。
現在、森林の間伐などを行う際の政府からの助成は、全体の事業規模が決まった段階で、「総事業費の50%を補助する」ことになっている。しかも県などの地方自治体が20%、林業家が30%それぞれ費用負担するこ
とが基本だ。
しかし、これでは、林業家や県に十分な資金がなければ、間伐の事業規模は小さくせざるを得ない。例えば、全体で10億円の間伐事業を行う場合、林業家と県で5億円を用意しなければならず、資金不足で4億円しか
出せない場合、間伐事業は8億円規模にとどまることになる。
この助成を定額制度にすることで、林業家や県は、政府からの助成金だけで間伐を行うことも可能となり、運用の自由度が大幅に高まった。
また林野庁では、林業家の高齢化に伴う林業の課題解決にも力を入れる。
1つの山を複数の林業家が保有している場合、境界線を確認できるのは長く山仕事をしている林業家だが、その林業家が高齢化して山に入ることができず、境界が不明確なために間伐が進まないケースが少なからず
あるという。
このため、林野庁は今回、森林の境界を明確にするための取り組みに対する助成も新たに定額方式とすることで、林業家らが利用しやすくし、間伐のめどが立たなかった森林の整備を進める考えだ。
間伐に欠かせない作業道路の整備、これまで間伐対象でなかった樹齢45年以上の森林にも助成できるようにした。