ID : 8648
公開日 : 2008年 8月29日
タイトル
ワンガリ・マータイ「森林と砂漠のたたかい」
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新聞名
JanJan
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元URL.
http://www.news.janjan.jp/world/0808/0808295792/1.php
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元urltop:
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写真:
イラストが説明として掲載されていました
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コンゴ盆地の森は現在、危機に立たされています。農業パターンの変化、人口増加、石油・鉱業による乱開発などが原因です。アフリカの生存にとって、コンゴ盆地の森を守ることには死活的な意味合いがあ
ります。
【IPSコラム=ワンガリ・マータイ、2008年7月】
サハラ砂漠が北方に広がり、カラハリ砂漠が南西に広がっているアフリカの生存にとって、コンゴ盆地の森を守ることには死活的な意味合いがあります。
コンゴ川流域はアマゾン川流域につづいて世界で2番目に巨大な森林であり、世界の第2の肺などと呼ばれています。二酸化炭素を吸収し地球の温暖化にストップをかけてくれるものでもあるし、多様な生物が暮らす
場でもあります。この森には、1万種以上の植物、1000種の鳥、400種の哺乳類がいるのです。
しかし、現在、この森は危機に立たされています。農業パターンの変化、人口増加、石油・鉱業による乱開発などが原因です。
たとえ短期的な利益があるとしても、森を商業的な利益のために破壊してはなりません。それは後の世代の能力を削ぐ行いです。
森を破壊されることがどんな意味を持つかは、同じイスパニョーラ島にあるハイチとドミニカのたどった異なる運命を見れば明らかでしょう。ハイチでは、森林伐採を進めたために、ハリケーンに対して脆弱な国にな
ってしまい、人びとは貧困に苦しむことになりました。他方で、ドミニカでは、森林を保全したために、ハイチよりもずっと状況がよいのです。
私たちも手をこまねいているわけではありません。6月17日、英国・ノルウェー両政府による2億ドルの拠出を得て、「コンゴ川流域森林基金」(CBFF)が設立されました。
また、セネガルのワッド大統領は、ダカールからジブチにかけた「巨大緑壁」計画を披露しています。これは、サハラ砂漠の拡大を防ぐために、全長7000km・幅5kmにわたる緑地帯を作ろうとの壮大な計画なのです
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