ID : 8510
公開日 : 2008年 8月13日
タイトル
林地残材をオイル化 県森林組合連合会 林野庁委託事業に採用
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新聞名
下野新聞
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元URL.
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/politics/news/20080812/36601
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元urltop:
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写真:
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奥山林の整備後に現場に放置される林地残材の活用を図ろうと、県森林組合連合会(神山精二会長)は、小型プラントで林池残材をバイオオイル化(液化)するシステムを考案し、十二日までに林野庁の委
託事業に採用された。オイル化には木質の全成分の有効利用や輸送コスト削減などの利点があり、五年後の実用化が目標という。同連合会は「林地残材が商品になれば林業は活性化する。将来は全国展開にもつなげた
い」としている。
県内では本年度から「とちぎの元気な森づくり県民税」の奥山林整備事業が始まることで今後、市場に出せない間伐材などの林地残材が大幅に増加するとみられる。同連合会は「木材資源の間伐材を放置しておくのは
もったいないし、水害の時に被害を拡大させる恐れもある」として今回のシステムを構想。林野庁が五月から公募していた100%補助の委託事業「森林資源活用型ニュービジネス創造対策事業」に応募したところ審査を
通過した。
連合会によると、同システムは森林整備の現場近くに設置した小型プラントに林地残材を入れてマイクロ波で粉砕、オイル化する。マイクロ波の時間の長さで木質成分が変化するため、化石代替燃料や化学製品など
幅広い製品化が可能。また、木材のままより運搬しやすく輸送コストを削減できるメリットも大きいという。
オイル製造など主要技術については、新日鐵化学(本社・東京都千代田区)と独立行政法人産業技術総合研究所(茨城県つくば市)に委託。本年度の事業費は約一億五千万円、総事業費は約五億円を見込む。
今後、塩谷町の協力を得て同町内に小型プラント開発のための実証試験場を設置する。たかはら森林組合から原料提供を受け、来年度から本格的な実証に入る計画だ。
同連合会の福田正治専務は「山を熟知している組合がこの事業に取り組む意義は大きい。木材資源の有効活用により山林所有者に利潤が生まれるシステムをつくりたい」と意欲を示している。