ID : 8247
公開日 : 2008年 7月11日
タイトル
木材確保へ官民3者が協定 大文字山の送り火、鞍馬の火祭を支援
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新聞名
京都新聞
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元URL.
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008071000106&genre=H1&area=K00
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元urltop:
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写真:
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まきやたいまつ用の木材不足が深刻になっている京都の夏の伝統行事、大文字山の送り火(京都市左京区)と秋の鞍馬の火祭(同)を支援するため、京都府と京都モデルフォレスト協会、大手商社の三井物産(
東京都)が9月から、必要な木を育て行事に提供する活動を始める。三井物産所有の右京区の山林を同協会が手入れする計画で、8月に3者が協定を結ぶ。
「五山送り火」の一つ、大文字山の送り火は、毎年樹齢50年以上のマツが十数本必要だが、数年前から害虫被害のため確保が困難になっている。鞍馬の火祭は、主にコバノミツバツツジを使ったたいまつ約250束を使
用するが、一度伐採すると同じ場所では7、8年生えないため、毎年近くの山々を探し歩いているという。
産学官連携で森づくりを進める同協会が森林保全活動の一環として支援を決め、依頼を受けた三井物産が協力することにした。
活動場所は右京区梅ケ畑の山林約19ヘクタールで、三井物産が同協会に無償貸与する。同協会はマツやコバノミツバツツジの伐採と、育成や保護のための手入れを行う。市民にも参加してもらうため、間伐を体験でき
る学習会なども開く。活動期間は10年間。
作業は協会員の府内自治体や経済団体、大学、企業などが担当。大文字五山保存会連合会や鞍馬の火祭保存会の会員も協力する。
NPO法人(特定非営利活動法人)大文字保存会の長谷川綉二副理事長(63)は「中期的なマツ材確保のめどが立つうえ、大文字山で幼木を育てる余裕期間ができるため、大文字山の森林環境保全にもつながる」と喜ぶ
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また鞍馬の火祭保存会の杉本光男会長(63)は「必要な木を探せる山が少しでも多いと助かる。何より火祭を思う気持ちがうれしい」と話している。