ID : 6797
公開日 : 2008年 3月20日
タイトル
県「災害に強い森林づくり」 湊の2カ所を追加へ
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新聞名
長野日報
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元URL.
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=10164
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元urltop:
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写真:
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県諏訪地方事務所は18日夜、岡谷市湊支所で「災害に強い森林づくり指針」の説明会を開いた。指針策定に携わった県林業総合センター(塩尻市)の片倉正行育成部長が概要を紹介したほか、県が今後の治
山事業に向けて湊地区の保安林を追加指定する方針を示した。
同指針は「平成18年7月豪雨災害」の経験を教訓として、「森林の土砂災害防止機能に関する検討委員会」(委員長・北原曜信州大学教授、7人)が岡谷市湊地区などでの現地調査や議論を重ねて策定し、今年1月に県
知事に報告した。土砂災害に強い森林造成に向け、全県的な森林施策の指針として活用される。
同指針では「適地適木・適正管理による森林づくり」を基本理念に設定。目標の森林を「針広混交林」か「広葉樹林」に定めた。整備する森林の形態は、崩壊防止機能を優先させる「崩壊防止型」、土石流を止める「崩壊
土砂抑止型」、流木発生などを防ぐ渓流沿いの「渓畔林型」の3つに分類。立地条件に合わせて分類を選択し、樹種の転換や間伐などの治山事業を行うとしている。
治山事業実施に必要な保安林指定については、小田井沢川上流部約54ヘクタールに加え、岡谷市湊地区の八重場沢川、ウノキ沢の上流部2カ所計約28ヘクタールを新たに指定する案を提示した。今後は、県と地域
住民がどのような森林にしていくかを話し合う。県の担当者は「治山は100年がかりの大事業」として、参加者に協力を呼び掛けた。
県によると、同指針の住民向けの説明会は初めて。説明会には森林所有者を中心に地元花岡区などから約40人が参加した。同区の小口区長は「指針は湊の災害から生まれた。教訓を風化させないためにも、自ら行動
を起こし、森を整備して災害を2度と起こさないという心構えが区民1人ひとりに必要」と話していた。