ID : 6575
公開日 : 2008年 3月 4日
タイトル
森林資源再生:合板製造4社ら、苗木購入費用助成へ支援センターを設立
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新聞名
毎日jp
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元URL.
http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20080227ddlk04040114000c.html
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元urltop:
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写真:
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植林を進め森林資源を再生しようと、県内の合板製造会社4社と県森林組合連合会など3団体が26日、森林所有者に苗木購入費用の一部を助成する民間組織「みやぎ森林(もり)づくり支援センター」を設立
した。民間による森林資源再生の助成制度は全国で初めてという。背景には、輸入木材の高騰を受けた国産材の需要回復がある。将来的な安定確保や温暖化防止にも役立てようと、県も活動を支援する。【山寺香】
同日、仙台市内で開かれた設立総会には関係者約40人が出席。同センター顧問に就任した村井嘉浩知事は「森林資源を確保し地球温暖化防止に貢献するため、一致団結して取り組みたい」とあいさつした。
同センターは、いずれも石巻市の合板製造会社「セイホク石巻工場」「石巻合板工業」「西北プライウッド」「東京ボード工業石巻工場」と、同連合会など木材を生産する県森林整備事業協同組合、日本製紙木材東北支店
の3団体で構成。事務局は同連合会に置く。
構成企業や団体は、丸太の出荷量や購入量に応じ、1立方メートル当たり10円をセンターに積み立てる。センターはこれを基に、森林所有者に対し森林1ヘクタール当たり10万円を上限に苗木代金の3分の1を助成す
る。08年の積立金は620万円を見込んでいる。
県林業振興課によると、県にも植林や間伐経費の一部を助成する制度があり、併用すると植林に掛かる費用の7割を補助で賄うことができるという。
合板製造企業が森林再生支援に動き出した背景には、木材の国際市場の激変がある。経済成長著しい中国やインドで需要が激増、輸出国のロシアやマレーシアなどが森林保護のため伐採規制を強化。価格が高騰し、
これまでのように輸入材だけに頼れなくなった。
それに伴い県産木材の消費も増加。同課によると県内の木材生産は、01年に約37万立方メートルだったが、06年は1・5倍の約56万立方メートルに増加。住宅建築などに用いる合板は02年の約3万立方メートルから
、06年には7倍近い約20万立方メートルに需要が急増した。
一方、県内の林業は長い価格低迷や後継者不足などで衰退傾向にある。林業従事者数は738人(05年国勢調査)で、15年間にほぼ半減した。杉などの人工林は近年、年平均約400ヘクタールが伐採されたが、植林
面積は約150ヘクタールにとどまる。同課は「30~50年後の森林資源を維持するには、今の段階から計画的に植林を進める必要がある」としている。県は4月から県内7カ所の地方振興事務所に窓口を設け、センター
の活動をPRするなどして支援する。