ID : 6523
公開日 : 2008年 2月28日
タイトル
木価低迷でも黒字決算 両森林組合が総代会
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新聞名
東海新報
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元URL.
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws3357
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元urltop:
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写真:
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気仙地方森林組合(E木澤光毅組合長、正准組合員三千五百六十一人)の第八回通常総代会は二十七日、住田町農林会館で開かれ、八議案を原案通り承認した。林業情勢の厳しさが増す上に、住田町内の木
工団地内二事業体の経営危機問題などもあったが、今年度も各種の取り組みによって約二百七十万円の当期剰余金を計上し、これで合併後八年連続の黒字決算となった。新年度計画では、厳しさがさらに増すとの展望
に立ちながらも「健全経営を目指し、気仙川流域林業の中核を目標に事業を推進する」との方針を掲げた。
総代会には総代二百人のうち本人や委任などを含めて百三十一人が出席。開会前には、同組合職員の三浦やす子さんに対し、全国森林組合連合会から「運営に精励し地域林業発展に貢献」したとして永年勤続(二十
年)表彰状が伝達された。
総代会でE木澤組合長は、住宅着工の落ち込みや原油の高騰、長引く木材価格の低迷などを説明した上で「当初の事業計画を達成し剰余金を計上することができた」とあいさつ。さんりくランバーと三陸木材高次加工の
経営危機に伴う住田町の融資などについては「危機感を持って事業の推移を見守っていくことが必要」と述べた。
来賓祝辞のあと、議事に入り▽十九年度事業成績と剰余金処分▽二十年度事業計画――など八議案を審議し、いずれも原案通り承認した。
それによると、十九年度は高性能機械の有効活用により販売事業は計画対比123%と大幅増、競争入札方式が導入された森林整備事業の積極的な取り組みによって事業量は同比129%の受注となり、当初の事業計
画を達成。経費削減にも力を入れた結果、前期繰越剰余金を合わせた当期未処分剰余金約六百五十四万五千円を計上。このうち、法定準備金に約百五十万円を充て、残りの五百四万五千円を次期繰越剰余金とした。
事業計画では、健全な組合経営と気仙川流域林業の中核としての事業推進を基本方針に掲げ、その上で、指導や販売、加工、森林整備の各部門で積極的な事業を進めていき、引き続き剰余金計上を目指した経営を目
標にしている。
流域合併を
本格検討へ
陸前高田市
陸前高田市森林組合(佐々木英一組合長、組合員千六百九十二人)の第四十二回総代会は同日、高田町の市ふれあいセンターで開かれた。木価低迷や建築基準法見直しによる住宅着工数の減少といった厳しい環境に
もかかわらず、約百六十万円の単年度黒字を計上。新年度は二十一年度の流域合併を目標に本格検討していくことを確認した。
総代百九十九人のうち、委任と書面を合わせ百六十一人が出席。佐々木組合長は「十九年度を飛躍の年にしようと努力してきたが、国内外の政治や経済情勢の変化が組合経営に大きく影響した。二十年度は合併検討を
本格化させていきたいと思っており、よろしくお願いしたい」とあいさつした。
議事に入り、十九年度事業成績、二十年度事業計画など十議案を審議し、いずれも原案通り承認。今年度は約百六十万円の剰余金を計上し、前期繰越剰余金を合わせた約二百万円の百七十万円を法定準備金に充て、
残りの約三十万円を次期繰越剰余金とした。
新年度は全国系統運動の「環境と暮らしを支える森林・林業・山村再生運動」の三年目にあたり、▽施業共同化▽地域材安定供給▽経営革新――の各プロジェクトを進め、地域材の生産と安定供給体制の確立を図る。
また、昨年から取り組んでいる「施業集約化・供給体制集積事業」により、提案型集約化施業の普及と定着化を進め、長期施業受託を推進しながら安定的な経営体制を目指す。
総代会に先立ち、平成十九年度の農林水産祭参加行事「第三十一回県民有林良質材コンクール」で市内から入賞した四人に賞状と記念品が伝達された。
受賞者次の通り。
▽最優秀賞(林野庁長官賞、県知事賞、県森林組合連合会長賞)=スギ造作用材・菅野勝郎(気仙町)▽特別賞(県林業改良普及協会長賞、県森林組合連合会長賞)=スギ柱用材・菅野勲(同)▽努力賞(県森林組合連合
会長賞)=スギ柱用材・船田昭一(横田町)、スギ造作用材・故小林可也(矢作町)
2008年02月28日付 1面