ID : 5948
公開日 : 2008年 1月 9日
タイトル
足羽川 伐採の桜、国へ 温暖化防止研究に活用
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新聞名
福井新聞
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元URL.
http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news2/article.php?storyid=2830
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元urltop:
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写真:
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堤防強化を目的に伐採される福井市中心部の足羽川の桜並木が、地球温暖化防止の研究に有効活用されることになり7、8日の両日、同河川敷で伐採と重量測定などが行われた。国の研究所で今後、1本の
樹木が体内に蓄えられる二酸化炭素(C02)の固定量を算定。京都議定書で定められた日本の温室効果ガスの排出削減目標達成に向け、効果的な緑化対策に役立てる。
活用するのは、街路樹や公園、河川敷の並木など都市の緑化が地球温暖化防止に与える影響を調べている国土交通省の国土技術政策総合研究所で、「市民に長年親しまれた貴重な財産を、後世に生かしたい」と話し
ている。
桜の木は2006年度に研究対象に追加。河川敷の検体を探していたところ、県足羽川激特対策工事事務所が伐採する桜の引き取り先を募集していることを聞きつけ、提供を申し込んでいた。
同研究所環境研究部緑化生態研究室=茨城県つくば市=の長浜庸介研究官らが7日に現地入り。板垣橋下流の右岸側で、樹齢30年以上の虫食いなどがない元気な3本を伐採した。幹と枝に細かく切り分け、それぞれ
の重さを合計して1本分(地上部分)の重量を測定した。
幹と枝の一部は、同研究室にサンプルとして持ち帰り、乾燥させた状態で炭素の重さを測定。計算式でC02固定量をはじき出し、その数値を1本分に換算する。結果は春ごろ分かる予定。
同研究室は、足羽川の桜だけでなく、昨年11月に同じく堤防強化のため伐採された足羽川の幸橋北詰めのクスノキのC02固定量も調べている。
先進国に温室効果ガスの排出削減を義務づけた京都議定書の第一約束期間は今月1日スタート。日本は2008―12年の5年間に、1990年比で6%削減する必要がある。目標達成には、適正な森林管理に加え、都市
の緑化も大きな役割を果たすため、長浜研究官は「提供された足羽川の桜とクスノキの調査結果を生かし、環境に優しいまちづくりを全国各地で展開していければ」と話していた。