ID : 5700
公開日 : 2007年 12月 6日
タイトル
日本の活動注目集める cop13
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新聞名
MSN産経ニュース
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元URL.
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/071208/asi0712081935003-n1.htm
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写真:
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地球温暖化防止の新しい国際的枠組み作りを話し合う国連の気候変動枠組み条約会議の第13回締約国会議(COP13)で8日、焦点になっている「森林減少」問題を取り上げる「フォレスト(森林)デー」が開
催され、日本の人工衛星から森林伐採を監視する技術や、マングローブを復活させる日本の活動が披露され、国際的な注目を集めた。温暖化防止に後ろ向きな発言を行う国に世界の民間連合団体が与える「化石賞」を
何度も受賞している日本だが、技術協力の分野では存在感を示している。
「フォレストデー」は、世界の二酸化炭素(CO2)量の5分の1が森林減少に由来していることから、COP13のサイドイベントとして国際林業研究センター「CIFOR」やインドネシア林業省などが主催した。
この日、披露されたのは日本の宇宙航空研究開発機構の陸域観測技術衛星「だいち」のレーダーを使い、ブラジル・アマゾンの熱帯雨林を監視する技術だ。ブラジルでは違法伐採を発見、摘発するため1999年、人工
衛星を中国と打ち上げたが、太陽光を使うセンサーの波長が400~900ナノメートル(ナノ=10億分の1)と小さく、雨や雲があると反射して観測できず、発見が遅れ、摘発が難しかった。
一方、だいちが搭載しているレーダーは電波を使い、波長が23・6センチと大きいため、雲や雨を透過して観測できる。日本はだいちのデータ提供を今年から開始、来年は解析指導を行うという。
COP13では、CO2を吸収する森林の減少を防げばCO2を削減したとみなす仕組みが議論されているが、日本は監視技術を提供することにより、森林減少を防ぐ仕組み作りに協力したいところだ。CIFORのセイモア
所長は「森林減少を防ぐのは急務。実現のために先進国が持つ技術を提供することは意味がある」と話す。
マングローブ保全は、日本の国際協力機構(JICA)がインドネシアで行っている事業だ。インドネシアは世界一のマングローブ大国だが、エビなどの養殖池に転用されるなどして次第に減少しているという。JICAは9
2年、バリ島でマングローブ復旧事業を開始。管理技術者を育成するなどして3000ヘクタール以上を復旧。同国全土の450万ヘクタールといわれるマングローブの保全を目指している。
マングローブは海の近くに生えるため、津波などから陸地を守る。また、全土のマングローブを復旧させれば、日本が京都議定書で課せられている温室効果ガス削減義務(90年比6%減)を上回る量の温室効果ガス
を減らせるという。