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キハダの皮から伝統薬を作っている鳥取県日野町の製薬会社が、胃腸薬などの原料になるホウノキの皮を集めている。地域に眠る資源を活用して、山間地で自然と共生しながら生きる道を探っている。
煉熊の原料になるキハダの皮。キハダは内皮のみを使うが、ホウノキは外皮と内皮の両方を使う
製薬会社は、同町舟場の「宝仏山煉熊(ねりくま)製薬」(小谷澄男社長)。煉熊はキハダの皮をせんじて煮詰めたもので、古くから民間療法に取り入れられている胃腸薬。同町では明治・大正ごろ、舟場を中心に煉熊の生
産が盛んだったが、だんだんと廃れていた。地域の伝承薬を守ろうと一九九六年七月に、小谷社長ら有志が厚労相の承認を得て、近隣の山からキハダの皮を集めて製造を始めた。
キハダ同様にホウノキの皮も薬の原料として使えることから、間伐や林道の開設などで伐採され、捨てられているホウノキを資源として有効活用しようと、集めることを思い立った。
夏の土用のころしかはがせず、内皮しか使えないキハダに比べて、ホウノキは春の彼岸から秋の彼岸までの約半年間とはがせる期間が長く、外皮と内皮の両方を使うことができる。同社が乾燥したホウノキの皮一キロ
を二百円以上で引き取り、大阪府の抽出工場へ出荷する。
小谷社長は「山は薬木の宝庫。その宝を生かすことが、自然と共生しながらこの地で生きていくことにつながる。ホウノキの皮は価値あるものです」と、山林所有者や林道を設営する工事関係者らに呼び掛けている。++
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