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カクレミノ
北斎の江の中で橋渡っている人の
後姿がこの形。
蕎麦屋の店先にて
10月27日採集 |
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カクレミノ
蓑を着た人が、疲れて
うずくまって休む後ろ姿。
森林科学園にて
10月29日採集 |
ヘラノキ まっ、肩から力を抜いてエヘラヘラ
某大学付属の植物園に行った。はす向かいの駄菓子屋さんで入場券を買う。
黒緑眼鏡をかけた研究者風のおじさんが不愛想に切符をもぎる。他の植物園
にはないレトロな雰囲気。まるで夏目漱石の小説の中に入り込んだよう。園内
にはニュートンのリンゴ、メンデルの葡萄、精子発見のイチョウと由緒ある植物
たちが目白押しだ。
曲がりくねった小道でヘラノキと出会う。すべすべした葉触り。裏側の葉柄の
付け根付近に褐色の毛がかたまって生えている。みんなひどく歪んで、ちょうど
菩提樹もシナノキの葉っぱが肩の力を抜いたような感じ。エヘラヘラした感じだ
から、ヘラノキ?じゃなくて、ヘラ型をした小さな葉の途中に、花や実がついて
いるから。菩提樹もシナノキもヘラノキも、みんなシナノキ科シナノキ属。
1番肩から力が抜けているのが、ヘラノキ。 |
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ヘラノキ
右(表)
右のほっぺが
ふくらんでいる。
私も欲しい、
甘い飴玉。
植物園にて
11月28日採集
左(裏)
後ろ向いちゃった。
あっお尻に毛が生えている。
植物園にて
11月28日採集 |
カクレミノ 最近、蓑着てる人見ないけど
3つに裂けた葉っぱの形を、昔の雨合羽の蓑にたとえてこの名前。マロン色に
色づいた葉っぱの、葉柄を上にしてみれば、確かにそう見える。でも木をよく観
察すると、2つに裂けたものから5つに裂けたものまで、葉っぱの形はいろいろ。
さらに老木になると、裂けずにちょっと菱形の丸みを帯びた形が多くなってくる。
高級マンションのエントランスとか喫茶店の軒下などに、ブラインド代わりとして
植えられていたりもするけれど、このカクレミノに隠れて、中でどんなドラマが展
開しているのか?見るたび想像力が刺激されてしまう。古事記や日本書紀に出
てくる『ミツナガシハ』もこの葉のことらしいけれど、誰がこんないい名で呼び始め
たのだろう。 |
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