セイヨウカシワ かわいい手のひらサイズ
カシワ 昔はご飯茶碗だった
カシワの葉っぱで柏餅を作って5月5日の端午の節句を祝う。「カシワ」と言えば
誰しも「柏餅の葉っぱ!」と即座に答えるけど、古代の人たちはそうじゃなかった。
彼らは、いろいろな木の葉をお皿代わりに使っていた。当然、鍋・釜もなかった
ので、食べ物を煮炊きするのにも使った。手近な葉っぱ、身近な葉っぱ、使えそ
うな葉っぱは何でも使った。そのうち彼らは、この炊ぐ葉っぱ(ご飯を炊く葉っぱ)
のことを全部まとめてひとからげに「カシワ」と呼ぶようになった。いろんな葉っぱ
を使っているうちに、いつでもどこでも手に入れられ、使い勝手のよい葉っぱが
自然と決まってきた。今、私たちが「カシワ」と呼んでいる木の葉がそれだった。
古代人の食の知恵、道具の名。これが「カシワ」の名の由来。
もうひとつ興味深い話は、枯れ葉になっても春先まで枝についているところ。
茶色くカラカラになりながらも、ずうっと枝についていて落ちない
のは、何度見てもホント不思議。だからカシワには葉守りの神が宿ると言われ、
緑起がよいのでよく庭木にもされている。
一方セイヨウカシワは、日本のカシワほど大きくならない。てのひらの中にすっ
ぽり収まってしまうくらいの可愛いサイズ。日本のカシワの葉っぱには毛がはえて
いて凡庸とした感じだけれど、こちらはスベスベ。シャープでシャレている。
秋の黄葉は美事。カシワの花言葉は、自由・勇敢・独立・強健・歓待。 |
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