クリ褐色の点をひとつずつ、 尋ね歩いて話を聴いたよ。 日本庭園の近くにて 11月24日採集 PPQS̏W | |
クヌギ緑の突起は情報を キャッチするアンテナのよう。 せせらぎの小道にて 11月27日採集 PPQV̏W | |
アベマキ 葉裏に灰白色の毛。 うん、これが見たかったんだ。 植物園にて 11月28日採集 |
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クリ 見分けるのに苦労しました クヌギ いやあ、実によくお会いしますね アベマキ やっとお目見えできました クリ・クヌギ・アベマキゼミを受けた。クリ先生とクヌギ先生のゼミはかなり充実 していたけど難解だった。公園や閑静な住宅街の庭先、大学や研修所の一 角、植物園などで、このゼミはよく開講された――この葉っぱ、クリ?クヌギ? いったいどっち?形のおもしろさと葉の色合い、そせて何より、醸し出される生 命力の強さにひかれ、何枚も採集した。コレクションノートは判別のつかない 魅惑の葉っぱでどんどんふくれ上がっていった。一枚ずつじっくり観察したり、 いろいろな図鑑で調べたりしたけど、どちらなのか決め手をつかめなかった。 克明に描いてゆくうちに違いがはっきりと見えてきた。クヌギ先生の細脈の網目 は細かい。一方、クリ先生のは少し荒い。葉脈が伸びて緑からつき出た突起も、 クヌギ先生のは長いし繊細。クリ先生のは、かすかな葉肉で覆われ、比べて短 い。葉柄もクヌギ先生の方が長い。 アベマキ先生の居所が分からず、11月の終わりにようやくゼミを受けられた。 確かに樹皮はコルクの代用とされるにふさわしいコルク層の厚さ。葉裏は毛が 密集していて灰白色だった。今度は、クリ・クヌギ・アベマキのステップアップ ゼミを受けるつもり。 |
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クスノキ
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クスノキ 樟脳の香りのする不思議な夢 気がつくと、緑の小部屋の中にいた。辺りを漂う樟脳の香り――するとここは、 クスノキの葉っぱの中か?扉のない小さな穴の入口から、虫たちが出たり入っ たり。のんびりとした風体の大家さんが、家賃のとりたてにやって来た――。 公園での居眠りから目覚めると、真っ赤な葉っぱが1枚。3本の葉脈の合わせ目 に、小さなふくらみを持つクスノキの葉っぱ。ふくらみはダニ部屋とよばれ、日本 ではクスノキにしかないという。 |