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マテバシイ 真実の祈りを捧げる この町の駅前広場にも植えられていて夏の間、涼しそう な木陰を作っていた。一年を通して緑の葉っぱを繁らせて いるけど、冬より夏が似合う木だと思っていた。調べてみて 納得。自生地は九州や沖縄だった。木陰に落ちた南国情 緒の漂いは、こんなわけだったのか。この名の由来、「待て ば椎」になれるの意味か、なんて簡単に思っちゃってたけ ど、もっと深い意味だった。漢字で書いて『真手葉椎』。 ―――真手とは、左右そろった、あるいは両手または本当 のという意味(花歳時記大百科)――。そう言われてみれ ば、葉っぱの形が掌を少しふくらませ、両手を合わせた形 にそっくり。一年を通して祈りを捧げていてくれるのか。 いったい、どんなお祈りなんだろう。 |