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葉っぱのメッセージ




トウカエデ
こんなに自己主張しなくも
愛されているのに。
アトリエ近くの路上にて
1月6日採集

トウカエデ 十八世紀に海を越えて

  毎日通る道の街路樹。近所の農業試験場の
広場にもお気に入りの老木トウカエデがいる。
初夏、おい繁った若葉の重なり作る優しい陰影
は、星屑をちりばめたみたいにキラキラしている。
そのまま天に昇って消えてしまうのではと心配に
なるくらい美しい。実際はものすごく丈夫な木で、
公害にも強いのでよく街路に植えられている。
  初めてこの老木に出会った時、威風堂々とした
姿に中国の山水画のイメージが重なった。それも
そのはず、十八世紀初めに中国からやって来た
ものだった。だから唐楓。中国では三角楓と呼ば
れている。図鑑には葉の形が三角だからと書いて
あるけど、私は密かに星屑型だとつぶやく。老木
の葉は小さかった。鋸歯(縁のギザギザ)も穏やか
で、普段通りで見かける葉とは違っていた。木も歳
をとると葉っぱの形の角がとれ、小さく丸くなる。
なんだか早く歳をとってみたい気にさせられた。





ハナノキ
君に出逢っ時
本当にピッタリな
名だと思った。
楓の園にて
11月20日採集
ハナノキ 本当に花びらみたいに綺麗だった
ウリハダカエデ 樹の皮がウリの肌のようだから

 葉っぱは、木についた宝石だ。
だから私は人目を盗んで採る。
宝石泥棒は、無闇やたらにとらない。
じっくり熟考して、これだという一品を手
に入れる。葉っぱが小枝から離れる瞬
間にたてるかすかな音に、世界中の人
たちが耳をそばたたせているんじゃない
かと気が気じゃない―――楓の園のハ
ナノキや、みんなの原っぱのウリハダカ
エデを採集した時、こんな心境だった。
ウリハダカエデの葉っぱは仲良く二枚で
一セット。瓜ふたつの葉が二枚。それで
この名前かと思ったら、緑色の樹の皮に
入った黒すじ模様が瓜の肌のようだから
なのだそうだ。ハナノキの葉も花びらを
思わせる色づきで、なるほどそれでと思
ったら、これも早春の花と新緑が紅褐色
で美しいから。ハナノキの前で二人の女
性に頼まれシャッターを押した。宝石泥
棒の痕跡は、わずかにこの写真に残る
のみ。
ウリハダカエデ
描くのにかかった一週間も
植物時間でみればほんの一秒。
みんなの原っぱ周辺にて
11月19日採集
1119̏W






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