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ID : 348
公開日 : 2006年 2月21日
タイトル
期待のデータ得られず、花粉症実験を"粉飾"…林野庁
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060221it06.htm
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元urltop:
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写真:
 
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花粉を作る雄花の多いスギを選んで間伐の対象とするスギ花粉症対策を2002年度から実施してきた林野庁が、その効果を確認するための調査で予想通りの結果が得られなかったため、机上計算の数値を実際の調査結果のようにして公表していたことがわかった。 間伐で日当たりが良くなると、1本あたりのスギの雄花の量が増え、2年目以降は間伐効果が減少する可能性が高いにもかかわらず、同庁は継続調査もほとんど実施していなかった。
 花粉症対策は02年度から06年度までの5年間の事業で、05年度までに15都府県の都市周辺のスギ林計2876ヘクタールで実施されてきた。
 効果測定調査は各都府県が行った。目視の調査は誤差も大きく、02年度と03年度に間伐された131か所のうち77か所で行った調査によると、雄花の多い木を選んだにもかかわらず、31か所では、木を切った割合よりも、雄花の減少の割合が少なかった。6か所では、雄花を除去したのに逆に雄花の量が増えるという予想外の調査結果が出た。
 このため同庁は、事業の効果を一般に公表する際に、各自治体による調査の実測値を使う代わりに、雄花の量が多いスギから伐採した場合の効果を机上で計算した。
 その上で「測定結果は、20~30%の伐採率で雄花が約50%程度減少」とホームページなどで発表して、成果を強調。計算結果と実測値がほぼ合致する3か所について昨年、国会議員で作る花粉症等アレルギー症対策議員連盟に、成功例として説明していた。また、昨年2月には、こうした間伐を推進するよう通知も出していた。
 間伐を行うと日当たりなどが良くなる。この結果、雄花の量が増えたり、雄花を付けなかった木が雄花を付けたりするため、効果を確認するには継続調査が欠かせない。しかし同庁は「自治体の協力が得られなかった」として継続的な調査をほとんど実施していなかった。3年間の調査結果があるのは3か所だけで、うち2か所では間伐を行わなかったスギ林と比較して効果が確認できなかった。
 同庁整備課の古久保英嗣課長は「ある程度、効果が計算でき、それに近いデータも三つあったので、効果を示す際の数値に使った。データを偽造したつもりはないが、誤解を招く恐れがあるかもしれない。間伐の効果はあるはずだ。今後、きちんと検証していきたい」としている。
 東京大学の井出雄二教授(森圏管理学)の話「雄花の量に着目しない通常の間伐では、花粉量の減少が長く続かないことはよく知られている。今回の間伐でも、少なくとも数年は調べる必要がある」
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