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ID : 3525
公開日 : 2007年 4月16日
タイトル
緑のオーナー 元本割れ恒常化怒る 東北森林管理局
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2007/04/20070416t73030.htm
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写真:
 
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国有林の杉や松の育成に一般の人が投資し、伐採時の収益を国と分け合う「緑のオーナー制度」(分収育林契約)で、個人オーナーから東北森林管理局(秋田市)に寄せられる苦情が絶えない。同制度は「元本保証」を約束していないが、年々深刻化する元本割れの現状に、オーナーたちはやり場のない怒りをぶつける。結果的に大きな“損失”を被らせている立場の同管理局では、「理解を求めていくしか方法はない」と低姿勢だ。
 仙台市在住の自営業Aさん(45)は15年前、一口50万円を出資しオーナーとなり、この3月、契約満期になった。その際、還元された金額は約25万円。「投資額の半額まで値が下がるなんてことは一言も説明がなかった」と憤る。
 東北森林管理局には、Aさんと同様に、「こんなはずはない」と、国の“リスク説明”の欠如を非難する声が断続的に寄せられる。高橋真一郎国有林野管理課長は「感情的な側面もあるのだろうが、制度への認識が不十分であるのは確か」と話す。
 福島県を除く東北5県の国有林を管理する同管理局は、1998年度末までに1万7000口、延べ1万5000人がオーナー契約した。契約満期に伴い、その数は減りつつあるが、2006年度末で1万5000口、延べ1万4000人と大半の契約が残る。
 これまで、分配金が払込金額を上回ったケースは04年度に宮城県内の杉林の入札で還元された65万5000円を最高にわずか7件。平均落札価格は初めて入札が行われた2000年度から下落の一途で、06年度は29万4000円。入札不調は03年度から4年連続で増加し、随意契約さえままならない状態だ。
 99年に緑のオーナー制度が事実上廃止となったのは、木材価格の低迷による元本割れを見越した林野庁の判断という見方もある。高橋課長は「業者に協力を願ったり、伐採地の道路改良などで木材に少しでも付加価値を付ける“営業努力”をしている」と強調した上で、「(契約林)1件1件を誠意を持って売る努力を続けていくことでしかオーナーのみなさまに応えることができない」と話している。

[緑のオーナー制度]主に一口50万円で集めた資金を杉や松の下刈りや間伐などの費用に充て、立ち木を売った収益を契約者と林野庁で分け合う仕組み。「あなたと緑のパートナーシップ」と銘打って、1984年度にスタート。元本の保証はない。同庁は99年度からオーナーの一般公募を中止し、制度は事実上廃止された。契約期間は15―60年だが、東北森林管理局内では、主に一口20―30年前後で満期を迎える契約者が多い。
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