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ID : 3029
公開日 : 2007年 3月13日
タイトル
スノーシューを履いて早春の野幌公園を歩く
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新聞名
JanJan
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元URL.
http://www.janjan.jp/column/0703/0703120565/1.php
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元urltop:
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写真:
 
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植樹や自然体験を通じて野幌森林公園の両生を図る「野幌森林づくり塾2006」に参加している。久しぶりに青空が広がった3月10日(日)、最終回となる体験学習会が行われた。
 午前9時過ぎ、集合場所の北海道開拓記念館裏のロータリーに行くと、主催団体の林野庁北海道森林管理局石狩地域環境保存ふれあいセンターのみなさん、ボランティアのNPO法人「ねおす」のスタッフが揃って迎えてくれた。今回の受講生は、若いお母さんに連れられた4歳の坊やを含め、男女23人、弥生3月とは言え、午前の気温は、氷点下1度。日当たりの良い場所で、開講式があり、全員、スノーシューを履いて、森の中に入る。
 広葉樹や針葉樹など多種類の樹木の混ざった自然林と、トドマツが揃って生えている人工林の違いを観察、3班に分かれて、10m以上もある林冠木5~10mの亜林冠木、5m以下の下層木と、階層ごとの本数を調べ、冬芽を見ながら樹種を見分ける勉強をした。靴下を2枚重ねばきしたのに、ゴム長の下から冷気がじわじわ伝ってくる。
 やっと昼休みになり、開拓記念館の中で昼食。ポットに入れて持参した熱いお茶を飲んで一息つく。
 午後から、除伐の必要性について、レクチャーがあり、アカエゾマツの人工林に入って除伐体験をした。ノコギリで枯れたエゾマツを切り倒し、すくすく成長している木の枝打ちをする。気温が上がってきたせいもあるが、1時間半ほど作業をすると、結構汗ばんできた。森全体から見れば、猫の額ほどの面積にすぎないが、枯れ木を切り倒し、枝打ちしたせいで、日当たりが良くなり、散髪に行ったあとのように手入れした人工林が見違えるようにスッキリした。
 野幌森林公園は、面積2051ha、札幌市の東方11~15kmに位置し、同市、江別、北広島の3市にまたがる野幌丘陵に広がっている。1968年(昭和43年)、北海道100年を記念して道立自然公園に指定された。人工林が33%あるものの、残り67%は手つかずの原生林。大都市近郊の森としては、ウィーンの森やパリのフォンテンブローの森と並び称せられる規模の貴重な森林公園だ。
 ところが2004年(平成16年)9月の台風18号の猛威で、国有林、道有林合わせて約80ha(公園全体の約4%)で、樹木がなぎ倒された。倒木被害の大きさは、1954年(昭和29年)の洞爺丸台風の時いらいと言う。
 台風18号被害に襲われた翌年5月、五十嵐恒夫北大名誉教授を座長とする野幌森林両生検討委員会で「100年前の原始林に近づける」ことを基本理念に植林と自然の力で植生を回復させる「天然更新」とで両生を図っていく方針が定められた。17年度から「野幌プロジェクト」がスタート、呼びかけに応じNPO、大学、企業など12団体はじめ、幅広い市民参加で、さまざまな森づくり活動が続けられている。
 小生が参加した「野幌森林づくり2006」は、昨年6月10日、第1回の勉強が開かれた。テーマは「原始の姿を体感、植樹」。雨の中、カッパを着て、森の中に入り、風倒木の傷跡や植生の説明を受けながら、見て回った。午後から、トドマツ、ハルニレ、ミズナラ、カツラ、イタヤカエデ、シナノキ、キタコブシの苗木を190本植樹した。
 2回目は、7月8日。「生育調査と下刈り」。雑草木が苗木より大きくなると、苗木に日光が当たらず枯れてしまうので、苗木を植えて“1人前”の木に育つまで数年間は下刈りをして、成長を助けてやらなければならない。長さ2メートルもあるカマで、背丈を超すチョウセンアザミなどの雑草を切り倒すのが面白く、調子に乗ってカマを振り回したら、翌日、猛烈な腰痛に襲われた。たまりかねて、近所の整形外科でレントゲン写真を撮って貰い、大きな絆創膏をはって貰った。
 あとで「森林づくりボランティア手帳」(全国林業改良普及協会編)を開いてみると「カマを使うときは、右足を前にして自分の左側に向けて刃を動かします。大ぶりはやめて、やや弧を描くようにしましょう」と、あった。とんだ、生兵法だった、と反省。
 8月27日、今回は正規の講座ではないが、下刈りのボランティアに参加した。カン、カン照りの暑い日だったが前回の轍を踏まないように、慎重にカマをふるった。それにしても雑草の成長ぶり恐るべし!を実感した。昼食は、森林公園に隣接する江別市のキャンプ場近くに移動し、ジンギスカンに舌鼓を打った。車で行ったので、ビールを飲めないのが残念だったが……。
 第3回は、10月7日。テーマは「種拾い、種まき」。本当は、紅葉の森を歩き、ドングリやクリの実、種を採取する予定だったが、生憎の雨のため、登満別園地にある森林の家で、主催者が用意してくれた果樹の実や種をポットに播く実習をした。余ったコリンゴの実やシラネアオイの種を貰って、自宅のプランターに植えた。まだ、雪の下で睡っているが、4月、5月になれば芽をふくかどうか、楽しみである。
 そして最終回が3月10日の「森林を学び、木を育てる」。終了式では、真っ先に名前を呼ばれ「本基礎講座の全課程を終了したことをここに証明します」という立派な修了証書をいただいた。
 野幌森林公園はまだ雪の中だ。公園近くの沿道の日当たりの良い斜面では3月下旬にもなれば、蕗のトウが顔をのぞかせるだろう。てんぷらにして、食べると、ほろ苦い春の味が口の中に広がる。ビールを飲みながら、早く味わいたいと、待ち遠しい。
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