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ID : 2932
公開日 : 2007年 3月 3日
タイトル
宮城県産木材 合板特需 外材高騰、価格差が縮小
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2007/03/20070303t12027.htm
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写真:
 
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宮城県産材の供給が「数十年ぶり」という活況に沸いている。中国やインドなどの大量買い付けによる外材の高騰で、県内の合板メーカーが外材から県産間伐材への材料転換を加速させており、県の素材生産量は4年連続アップとなる見通しだ。生産現場は特需を歓迎する一方、製材業者の利益圧迫や植林の継続性を心配する声も挙がっている。
 「年間10億円弱の原木代金を宮城の生産者に還元できた」とは大手合板メーカー、セイホク(東京)。石巻市内に拠点を置く合板工場が5年前に県産材を使い始め、2006年は全原料に占める利用率を2割(約9万立方メートル)まで高めた。
 石巻合板工業(石巻市)の丸太置き場も変化が起きている。以前はロシアの北洋材が大半だったが2年前から県産材が一角を占領。県産材利用率は3割に達し、岩手、山形、福島各県産材も入荷するようになった。
 合板各社が材料転換を進めるのは建設ラッシュに沸く中国が原因だ。中国輸出が進むロシア材は03年に1立方メートル当たり70ドルだったのが、昨年は120ドル、今年は150ドルに跳ね上がった。伐採規制強化で南洋材の確保も難しくなる中、割高とされてきた国産材が価格面で勝負できる水準となった。
 石巻合板工業の野田四郎社長は「木造住宅の構造材に国産材を使った合板が脚光を浴び、ニーズも高まった。アジアの経済成長を考えると国産材利用は一過性に終わらないだろう」という。
 こうした合板メーカーは石巻市内に3社あり、国内合板生産シェアの2割を占めている。県産材の合板向け供給量は06年、21万立方メートルと前年度を5万立方メートル上回る見通しで、供給側の宮城県森林組合連合会は「大口需要先が生まれたメリットは計り知れない」と歓迎する。
 ただ、急激な環境変化にひずみも生じている。合板には林内に放置してきたB材(細材や曲がり材などの下級材)を出荷できるが、今野光男・津山町製材組合長(登米市)は「良質材まで合板用に回されて建築用材が平年比7割に減った」と調整の必要性を訴える。
 スギ林をすべて伐採し、土砂崩れの恐れを抱える「はげ山」も県内では拡大気味だ。県森連の木村敏男専務は「現在の合板向け価格では再生産しても赤字で、植林につながらない。特需を機に生産、流通、加工が互いの課題を解決していきたい」と話している。
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