山の遊歩道住民が整備
君津・鹿野山旧登山道
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20100417-OYT8T00833.htm
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元urltop:
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房総三山の一つで君津、富津市にまたがる鹿野山(かのうざん)(353メートル)の旧登山道を、地元住民らが遊歩道として整備した。山頂にある、聖徳太子が598年に開山したと伝えられる神野寺(じんやじ)など、山の歴史や自然をもっと多くの人に知ってもらうためだ。
鹿野山の旧登山道付近には戦後、旧小糸町の学校建設などに使う木材供給のため、多数の杉が植林された。しかし、同町が1970年の合併で、君津市になった後、森林は放置されたままだった。このため、県内のNPO法人などが3年ほど前から、旧登山道を活用し、伐採した木材を運び出す作業道の整備を開始。
道沿いには、日本武尊(やまとたけるのみこと)と戦って敗れた鹿野山の豪族「阿久留王」の遺体が埋められていると伝えられる塚などが残る。
近くに住む木工所経営の鈴木宗男さん(71)は「子供の頃に遊んだ山の自然と歴史を道路整備でPRできないか」と発案。同山の植生や歴史に詳しく、市民団体「サポートクラブこだまの会」会長の吉原洋さん(78)らと、散策を楽しめる約3キロの遊歩道を整備することにした。
同会のメンバー約20人が道路の清掃を行うほか、ガイドマップや植生を説明する案内板を設置。鈴木さんは、植生に影響を与えないように重機は使わず、チェーンソーや草刈り機だけで、なるべく自然のままの姿を残して歩けるように道を開いた。
3年前に歩くことができた道も、倒木や陥没でふさがれ、歩ける道を確保するだけでも苦労を伴う。しかし、鈴木さんは、「この山には様々なものが眠っており、アイデアが集まりやすい。やる気がわいてくる」と話す。
遊歩道はほぼ完成し、今月4日、現地案内が行われた。今後は、小学生らを招く自然教室などを計画中。吉原さんは「山の自然や歴史をきっかけに新たな交流が生まれれば」と期待している。
こだまの会は現在、遊歩道の愛称を募集中。応募方法は、はがきに住所、氏名、年齢、電話番号を明記し、愛称と簡単な説明を記入の上、〒292・1155君津市鹿野山88「サポートクラブこだまの会」へ。ファクスは、0439・37・2165。問い合わせは、同会(0439・37・2231)。締め切りは5月31日。