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ID : 15519
公開日 : 2010年 3月29日
タイトル
みやぎ環境税/実効性ある事業計画急げ
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2010/03/20100329s02.htm
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写真:
 
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宮城県の新たな独自課税「みやぎ環境税」の導入が決まった。2011年4月から5年間の課税で、森林再生やクリーンエネルギー普及に充てる財源を毎年度16億円、計80億円確保する見通しだ。「税額が全国一高い」「使途が不明確」との批判は依然根強い。来春の導入に向け、県は早急に実効性の高い事業計画を示し、県民の理解を得る努力を重ねる必要がある。
 みやぎ環境税は超過課税方式を採用する。個人は個人県民税の均等割(一人年間1000円)に年1200円を上乗せし、法人は法人県民税均等割(一社年2000~8万円)の10%相当を加算する。
 03年に高知県で初めて導入された地方環境税は現在、30県で課せられ、東北でも青森を除く4県で既に導入されている。他県の例を見ると、税額は500~1000円で、宮城の1200円は確かに抜きんでている。
 村井嘉浩知事は「環境は誰かが得をして誰かが損するものではない。同じ会費で同じサービスを」と、町内会費にたとえて県民に一律の負担を求める。この理屈は、税負担の理由にはなっても、全国一高い税額を負担する根拠にはならないだろう。
 宮城県によると、県内の二酸化炭素(CO2)排出量(06年)は1990年比で約30%増と、全国でも最悪の水準にあり、地球温暖化防止に向けたCO2削減は喫緊の課題という。
 個人の税額1200円が高いかどうかは結局、県の取り組み次第でもある。全国一の税額であるならば、他県に例を見ない環境施策を進め、全国一の効果を上げることが当然求められる。このことを県は強く自覚しなければならない。
 環境税導入の条例案を可決した県議会では、環境税の使い道として森林機能強化に35億円、クリーンエネルギー普及に35億円、環境教育の推進などに10億円との配分が示された。
 県は「他県の環境税は、CO2吸収源としての森林機能強化が中心」と説明。宮城は、CO2排出削減を進めるためのクリーンエネルギー普及に力点を置くと、独自性を強調している。
 ただ、クリーンエネルギー普及で県が想定しているのは、太陽光発電や電気自動車、木質バイオマス、発光ダイオード(LED)照明などの利用促進で、必ずしも目新しい分野ではない。財源不足の中で、十分に取り組めなかった分野ではあるかもしれないが、新税導入のインパクトに比べると、県民には物足りなさが残るのではないか。
 求められているのは、全国一の成果である。積極的な取り組みを期待するとともに、施策の成果を数値化して県民に提示するなど、税の効果を随時検証していくことが不可欠だと強調しておきたい。
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