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ID : 15117
公開日 : 2010年 2月25日
タイトル
間伐材おがくず木の根=燃料「木質パウダー」
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/wakayama/news.php?k_id=31000001002240001
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元urltop:
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写真:
  写真が掲載されていました
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間伐材+おがくず+木の根=燃料「木質パウダー」 日高川町の森林から出た間伐材やおがくずから燃料の「木質パウダー」を作り、町内の温泉施設のボイラーで使う取り組みが、3月から始まる。木質パウダーの製造装置や専用のボイラーの導入費用を国、県、町が補助した。県と町は「木質パウダーを地産地消する仕組みを全国で初めて構築した」としている。(吉岡英児、宮崎亮) 木質パウダーは木材を微細な粉にした燃料で、ガスのように噴射して効率的に燃やすことができる。県と町によると燃焼効率は木材チップやペレット(木の粉を細長い錠剤のような形に固めたもの)よりも高く、灯油や重油のほぼ半分だという。 パウダーの製造装置は県森林組合連合会が購入し、御坊市塩屋町北塩屋の御坊木材共販所に設置した。「バイオマス・プロダクツ」(東京都武蔵野市)が開発した装置で、約30マイクロメートル(1マイクロメートルは1千分の1ミリ)のパウダーに加工する。費用は6383万円で、国が約半分、県が約4分の1を助成する。パウダーの原料として、日高川町の美山村森林組合と中津村森林組合は間伐材や木の根など約560トンを供給。共販所では木材加工段階で出たおがくずなども合わせて500トンのパウダーを製造する。これを町が買い取って町内の温泉施設に販売する。専用のボイラーは町の外郭団体が購入し、運営する2施設に設置した。「きのくに中津荘」に1基、「美山温泉愛徳荘」に2基。導入費用は計2679万円で、町が3分の2、国が3分の1を負担した。これまで中津荘は燃料として年間2万4500リットルの灯油を、愛徳荘は同3万2千リットルの重油を使っていたが、新しいボイラーではそれぞれ52.1トンと72.5トンのパウダーを使う。来年度には「中津温泉あやめの湯 鳴滝」でも4基のボイラーを設置する計画で、年間168.2トンのパウダーを使うという。パウダーの値段は1キロ40円の予定で、燃焼効率で比較すると重油や灯油が1リットル80円以上になるとコスト面での優位性が出てくるが、今のところはパウダーの方が割高だ。町の担当者は「石油は国際情勢に左右されるが、今後パウダーを量産することで単価は下げられる」と長期的なメリットを強調している。木質パウダーなどのバイオマス燃料は、元々森林として二酸化炭素(CO2)を吸収しているため、燃焼してもCO2を増やさないとみなされている。県と町によると、今回2カ所の施設で石油系燃料から木質パウダーに切り替えることで計147トンのCO2削減効果が見込まれる。国内の排出量取引市場では、補助金割合を差し引いても104トン分に相当するという。