ID : 15068
公開日 : 2010年 2月19日
タイトル
森林が国づくりにもたらす3つの価値 森のチカラでつくる低炭素社会
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新聞名
nikkei BPnet
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元URL.
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20100219/211505/
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元urltop:
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写真:
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「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の3つの社会づくりの鍵となる森林。温暖化対策と山村再生の取り組みの裾野を広げるには、森林が果たす役割を「コミュニケーション・デザイン」の手法で広く伝えることが必要だ。山村再生支援センターが開いた第2回山村きぎょうセミナーから、同センターのコミュニケーションマネジャーを務める博報堂DYメディアパートナーズの川廷昌弘氏の講演を紹介する。郷土愛に訴えて森の役割アピール
日本が京都議定書で約束している削減目標――2008~2012年の5年間の温室効果ガス平均排出量を基準年(CO2は1990年度)比で6%削減する――のうち、森林によるCO2の吸収で3.8%分を賄うことを目標としていることを知っている人は、意外に少ない。3.8%という吸収量は1300万tの炭素(CO2換算で4767万t)に相当し、国際的に合意された我が国の森林吸収量の算入上限値の全量である。これは日本の10倍以上の面積をもつカナダの算入上限値以上の量であり、日本の森林はCO2吸収源としてそのポテンシャルを最大限発揮することが求められている。 日本の国土の約7割を占める森林は、“3つの社会”に不可欠だ。その社会とはまず、低炭素社会。CO2吸収源としての森林への期待は大きい。そして、循環型社会。林業は「植える・育てる・活用する」という繰り返しで営まれてきた。3つめが自然共生社会。森林は生物多様性を支える場でもある。この3つの社会をつくるのが、日本の山や森だ。そんな森が果たす大きな役割を、一般に広めていく必要がある。まさに、郷土愛に訴えかける伝え方をしていきたいと考えている。