ID : 14925
公開日 : 2010年 2月 4日
タイトル
県林業公社 県が債務肩代わりへ
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000001002050001
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元urltop:
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写真:
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約164億円の長期債務を抱える県林業公社の経営問題について、県は債務を肩代わりする方針を固めた。公社が植林して成長したら伐採・販売し、収益を土地所有者と分け合う「分収林」事業は材木価格の低迷で事実上破綻(は・たん)。今年度から5年間で第三セクターの抜本改革を進めるとの国の方針も受け、県は損失処理の方法を探ってきた。分収林の価値を査定して損失額を確定するが、県の負担は150億円程度に達する見通し。 公社は国の拡大造林政策を受けて1966年に設立。木材にするためのスギ、ヒノキなどを植えてきた。だが、80年代に入ってから材木価格が下落を続け、道路に近いなど立地条件に恵まれない限り、売っても伐採費用も賄えない状態に陥った。約5100ヘクタールの「分収林」のうち、採算が取れそうなのは3分の1程度という。 公社の164億円の長期債務のうち、52億円は日本政策金融公庫からの借入金で、県が肩代わりして一括返済する。これで約17億円の金利負担を5億円程度に圧縮できるため、一気に債務処理を進めた方が得策と判断した。10年償還の三セク改革等推進債を起債して返済金にあてる。 長期債務の残る112億円は県からの借入金で、分収林事業の損失分を県が債権放棄する。詳細な経営再建計画は来年秋までに策定する。 約1500件ある分収林契約は、収益が見込めない場合や樹齢が若く長期間手入れが必要な場合は契約を解除。若い林で将来収益が出ると判断すれば、有償で土地所有者に買い取ってもらう。 樹齢が若い林は災害防止のためにも手入れが必要なため、土地所有者には公社に管理作業を委託することも求める。管理費用は9割以上補助金で賄えるが、一部自己負担となる。採算性の判断や管理費の問題を巡り、契約解除の交渉は難航する恐れもある。 林業公社の経営破綻は全国的にみられ、公社を解散して自治体が事業や債務を引き継いだ例もある。県林政課は「専業の職員が引き続き業務に当たった方が良いと判断した」と説明している。