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ID : 14765
公開日 : 2010年 1月26日
タイトル
人生二毛作/森林ボランティア 野生須良文さん
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新聞名
四国新聞
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元URL.
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/culture/article.aspx?id=20100125000054
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元urltop:
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写真:
 
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底冷えのする綾川町の山中。山に入ると野生須良文さんの顔が輝いてくる。木に登るなど機敏な動きを見せ、80歳の年齢をまるで感じさせない。森林ボランティアの仲間と声を掛け合いながら、ヒノキを間伐。特技はチェーンソーを使うこと。「エンジンの音を聞くと胸が躍ります」と気持ちはまだまだお若い。
 18歳の時に終戦。「戦争が終わったなんて、すぐには理解できんかった。母親は『今に神風が吹いて日本は勝つ』と言ってましたから」。兵隊だった兄から、「これからの時代は腕に職をつけたほうがええ」と助言されて大工の道に。「当時、高松市内は焼け野原で何年かは手弁当を持ち、無給で働いたもんです」と懐かしむ。
 工務店で長く勤め、65歳まで仕事をした。若いころはカメラや車などのメカに凝り、退職後は8ミリビデオで映画もつくった。
 69歳の時、高松市が募集していた植林活動に参加。その際、森林ボランティア「こにふぁくらぶ」の役員から入会を勧められ、「暇つぶしにやってみるか」と入り、やみつきになってしまった。
 毎週土曜日に弁当を持って、「こにふぁくらぶ」の活動に参加。間伐や枝打ちなどの作業に追われている。山の仕事は若い人でもきつい。でも、野生須さんは作業を楽しみ、生きる勇気をもらっているという。
 「いろんな職種の人が参加し、ノルマもないし、一服していても誰にも文句は言われん。こんな和気あいあいとした人間関係がたまらんのです」
 3年前に車の免許を返上して、メンバーの女性に毎回送り迎えをしてもらう。「みんなに助けてもらっている。若い人に比べると力は出んが、チェーンソーの歯研ぎや整備には自信がある。みんな、僕のこと頼りにしてくれるから、やる気が起きるんですわ」と野生須さん。現在はグループ最長老となり、「みんな、えらいのに、文句言わずによう働きます」。
 全国で多くの山が荒れる現状を「いくら頑張っても少ししかできない。はがいけれど、僕らの力だけではどうしようもない。でも誰かがやっていかんとね」と前向きだ。「心の中ではこの活動を倒れるまでやりたいと思うとる。それに山へ行かなんだら、退屈で退屈でたまらんから。長患いをして苦しむより、ぽっくりいくほうがええでしょ。そのためにも、頭と体を使わないかん」。
 シニア編集室・池本正文
■メモ こにふぁくらぶ 11年前に県内で組織されたNPO法人。約30人の会員が毎週土・日曜日に森林整備の活動を行っている。枝打ちや間伐、木の搬出ができる森林ボランティアは珍しく、全国表彰を受けている。問い合わせは、こにふぁくらぶ事務局、電話087(848)1323。
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