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ID : 14645
公開日 : 2010年 1月14日
タイトル
未来を築けるか:再生可能エネルギー 木質バイオマス /京
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20100113ddlk26040457000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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ペレットストーブに期待 森林管理と一石二鳥 「石油に代わって普及すれば二酸化炭素(CO2)の排出削減効果は大きい」。府地球温暖化対策課が注目するのが木質バイオマスだ。再生可能な生物由来の有機性資源(化石燃料は除く)のうち樹木に由来するもので、森林が適切に管理されていれば、燃焼によるCO2は光合成で森林に再固定され、排出とみなされない。
 中でも家庭での普及が期待されるのが木質ペレットだ。製材で出る端材や木くず、間伐材などを加熱圧縮し粒状に固めた燃料だ。「間伐材は山中に放置し腐らせてもCO2を出す。熱エネルギーとして活用した方がいい」。市民団体「薪(しん)く炭(たん)くKYOTO」での活動を経て06年5月に木質バイオマス会社「Hibana」(上京区)を起業した松田直子さん(33)が話す。木質ペレットと、それを燃料とするペレットストーブの販売を進める。まきと違って自動補給できるなど扱い易く、煙突も不要で集合住宅でも設置できる。
 石油ショックの際に普及が図られ、全国に約30カ所のペレット製造工場ができた。だが、欧米で利用が継続したのに対し、国内は石油の値下がりで衰退し工場も3カ所に。近年、木材の活用を図る中で再注目され、工場は約50カ所に増えたが、稼働率はまだ低い。
 国内で使われているのは約1万台で、府内はまだ100台ほど。欧米からの輸入品は価格が40万~50万円、03年から出始めた国産品も30万~40万円で、別に設置費が約10万円かかる。燃料費も灯油の約1・5倍だ。2年前の原油高で約1・2倍に下がり同社への問い合わせも増えたが、原油価格が戻るにつれて減少。ペレット工場も府内にはなく、最寄りが大阪府高槻市だ。
 同社の販売実績は15台。「もっと普及して工場が増えれば輸送コストも含めて価格が下がり、まきストーブをあきらめた人や環境に関心の高い人に広がる」と松田さん。普及が進む岩手県や長野県では燃料費は灯油と同程度という。「府内では始まったばかり。まずは認知度を上げたい」
 京都市は今年度、森林バイオマス資源活用事業として右京区京北町でのペレット工場建設を全額(2億5000万円)助成する。林業関係者が設立した株式会社「森の力京都」が建設・運営。年間に製造する3500トンは、1世帯の燃料使用量を約1トンとすれば3500世帯分に当たる。
 市はCO2吸収源対策で間伐を推進。木材利用されない分を生かし林業者の収入を増やそうとペレット化に乗り出した。「吸収源対策とエネルギー転換の一石二鳥」を狙う。
 市内のストーブ普及は30台未満で、市は09年度中に購入・設置費の3分の1(上限20万円)を20台分助成し、公共施設にも10台導入する。「森の力京都」も10台を貸与し、計40台増える計算だ。
 左京区下鴨本町の服飾デザイナー、野瀬恵美子さんはHibana社のパンフレットを見て08年11月、岩手県内のメーカーの製品を購入した。設置費も含めて35万円。12畳の居間に置くが、隣の6畳の台所までもが十分温かい。ガスストーブやエアコンを使っていた時は消せばすぐ寒くなったが、ペレットストーブで解消した。「消しても20分ほど余熱があり、しんから温まる」。灯油よりも軽くて安全と感じる。
 「もともとリサイクルを心がけてきた。有効にモノを生かすのは当たり前」と野瀬さんは言う。灰は夫が家庭菜園に利用している。「ストーブではあるけれど、時代の流れの中、生活の原点で役に立てれば」
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