ID : 14257
公開日 : 2009年 12月 4日
タイトル
森で牛が育つ 林業と酪農両立
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/tochigi/news.php?k_id=09000000912040001
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元urltop:
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写真:
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コナラやクヌギが生い茂る自然の森の中を、悠々と14頭のジャージー牛が闊歩(かっぽ)する――。福島県との県境に近い那須町の荒れた山林で今年7月から、東京都内の会社が「森林酪農」に挑んでいる。 電気柵(さく)で囲まれた約8ヘクタールの森に、成牛9頭、子牛5頭が24時間、放し飼いにされている。牛たちは春から秋にかけて森に生えた下草を食べ、ふんをし、そのふんが土の栄養となって、また下草が育つ。 取り組むのは、廃棄物のリサイクル事業を手がけるアミタ(熊野英介社長)。地域デザイン部の清水豊さんによると、近年、手入れされなくなって下草が生え放題の暗い森になり、土に光があたらない状態だった。ところが、牛が下草を食べ、歩き回るようになった森は生き返ったように明るくなったという。 同社が目指すのは林業と酪農の両立だ。乳が張った牛たちは朝夕2回、敷地内の牛舎に自ら集まる。1日約10リットルが搾乳でき、1本(500cc)630円で東京の百貨店などでブランド牛乳として販売している。敷地内のカフェでも牛乳や牛乳からつくったソフトクリームを楽しめる。 一方、森は地元の森林組合が間伐に入れるようになり、間伐材をシイタケのほだ木や、チップ材として利用できるようになったという。 清水さんは「酪農も林業も苦労している方が多い。商業ベースではまだまだだが、モデルとして成功し、地域の方に提案できたらと思う」と話す。 見学は自由で、子牛と触れあうこともできる。問い合わせは「森林ノ牧場」那須(0287・77・1340)へ。