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ID : 14164
公開日 : 2009年 11月30日
タイトル
インタビュー・環境戦略を語る:森林総合研究所・鈴木和夫理事
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20091130ddm008020022000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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 独立行政法人森林総合研究所(茨城県つくば市)は、森林資源を利用した地球温暖化に向けた対策や、林業の活性化、生物多様性の維持における森林の役割などについて研究している。約500人の研究員を束ねる鈴木和夫理事長に、森林総研の研究の現状と今後の課題を聞いた。【太田圭介】
 ◇森林資源、無駄なく使う --森林の二酸化炭素(CO2)吸収機能に関する森林総研の取り組みを教えてください。
 ◆日本の森林がどれだけのCO2を吸収できるかを明らかにするため、民有林も含む国内の森林全体を網羅する国家森林資源データベースを開発しました。温室効果ガス排出量の削減目標を90年を基準年として国別に定めた「京都議定書」では、森林が吸収したCO2を削減量に含めることを認めています。このため、データベースを基にCO2吸収量の推移を把握するのです。
 --生物多様性の維持における森林の役割は何ですか?
 ◆国土の約7割を占める森林には多種多様な生物が息づいています。だから、生物を守るためには森を大切にしていかねばなりません。地球の歴史を振り返ると、平均して年に1種類の生物が滅び、新たに1種類の生物が誕生することで均衡を保ってきました。しかし現在は森林の乱開発で年に数千種類が絶滅の危機に瀕(ひん)しています。
 --森林産業や国内林業の活性化についてどう考えますか?
 ◆林業の活性化には、何より低コスト化が必要です。日本では人件費の高さなどから、植林から約30年後の間伐までの一連のコストが世界で最高水準にあります。しかしスギを例に取ると、通常の苗より背が高い丈夫な大苗を使えば、雑草や雑木を刈る手間などが省け、大幅なコスト削減が可能です。
 --国産材の利用促進にはどのような方法がありますか?
 ◆少し曲がった丸太をそのままノコギリでひいただけでは、良質の製品にはなりません。そこで、丸太をいったん短く製材した後に接着剤で張り合わせる「集成材」や、大根のかつらむきの要領で薄い板にしたものを積み重ねた「合板」の技術開発と普及を進めています。これらの製品は強度のばらつきが少なく、狂いが出にくいなどの特長があります。従来は使いづらかった間伐材を、このような製品にして、森林資源を無駄なく使えば、CO2の吸収に役立ちます。
 --クリーンエネルギーについてどのような取り組みをされていますか?
 ◆東大や早大などと共同で、北秋田市に木質バイオエタノールの製造実証プラントを建設しました。4年後には、木質バイオマス1トン当たり250リットルのバイオエタノールを産出し、製造コストを1リットル当たり100円にすることを目指しています。
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 ■人物略歴
 ◇すずき・かずお 73年東大大学院博士課程修了。74年農林省(現農林水産省)入省。83年東大農学部助教授。89年東大農学部教授。07年4月より現職。65歳。
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