ID : 14066
公開日 : 2009年 11月19日
タイトル
木質ペレットボイラーでコンブ乾燥 実用化に大きな期待 函館で試験結果発表 熱量と風力に課題も
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki2/200683.html
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元urltop:
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写真:
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道産材から作った木質ペレットでコンブの乾燥は可能-。南かやべ漁協や渡島信金でつくる「コンブ乾燥用木質バイオマスボイラーの実用化に関する地域協議会」は17日、函館市南茅部地区で8月に行ったコンブの乾燥試験の結果を同地区で発表した。臨席した漁業者から乾燥に必要な熱量や風力に難があるとの指摘はあったが、燃油高騰の折、実用化に期待も大きい。(山村晋)
同協議会は7月、札幌の北大研究者や旭川のボイラーメーカーも参加し、設立。重油や灯油を大量に使い燃油高騰の影響を受けるコンブの乾燥作業で、木の粉を固めて円筒状にした木質ペレットを使うボイラーが代替可能かどうか検証した。
試験は道の補助を受けて7月30日から8月8日まで、マコンブの産地で知られる南茅部地区で4回行った。自動運転できる木質ペレットボイラーを設置した乾燥小屋の中に、約550本のコンブをつり下げ、12時間ほど乾燥させた。北大の研究者が温度や湿度、コンブの含水率のデータを収集した。
結果は、乾燥1回につき、木質ペレットが160~230キロあれば必要な室温60度以上に加温できた。「室内を均等に温める風力に課題はあるものの、乾燥時間と仕上がりは灯油を使う温風乾燥機並み」と分析した。
一方、乾燥小屋を提供したコンブ漁家の中村常彦さん(58)は「品質に問題はないが、熱量と風力が弱い」と指摘。南かやべ漁協の幹部も「着火と消火に30分ずつかかっていては漁業者の導入は厳しい」と改良を求めた。
道内では現在、重油や灯油を使うコンブ乾燥用ボイラー約5千台が稼働する。同協議会の会長で札幌のNPO法人北海道新エネルギー普及促進協会理事長の大友詔雄さんは「燃油高騰時に脚光を浴びる技術。道産材の活用や二酸化炭素の排出抑制にも有効なため、ボイラーや換気ファンの改良を進めたい」と話している。