ID : 13636
公開日 : 2009年 10月20日
タイトル
この人に聞きたい:「緑のコーディネーター」に採用、
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/aichi/news/20091019ddlk23070152000c.html
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元urltop:
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写真:
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他の仕事より楽しい--豊田森林組合「緑のコーディネーター」に採用、深谷幸代さん(29)・相地理恵さん(23) 豊田市で山林の測量などをする豊田森林組合の「緑のコーディネーター」に4月、深谷幸代さん(29)=豊田市御船町=と相地理恵さん(23)=瀬戸市東赤重町=の2人の女性が採用された。間伐前に森林所有者の境界を把握する仕事で、険しい山の中に入って作業する。転職して山仕事を選んだ2人に、森林再生への思いを聞いた。【丸林康樹】
--この仕事を選んだのは。
深谷 学生の時に環境面での森林の役割を知り、自然に携わる仕事がしたかった。でも当時は仕事がなく、派遣社員になりました。昨秋に世界金融危機が起こった時、当時の石破茂農林水産相が「農林業で雇用を確保したい」と言っていたので、「今ならあるかも」と探して、この仕事を見つけたんです。
相地 トヨタ自動車に勤めていた時に、間伐などをする森林ボランティアの活動に出合いました。森を守る自然保護団体の活動にも参加し、自然保護にかかわりたいと思っていました。もっと専門的に学ぼうと考えていた時に、この仕事を紹介され、会社を辞めて飛び込みました。
--半年が過ぎましたが、今の実感は。
深谷 森や山の知識がないことを実感しています。毎日、勉強することばかりです。森は奥が深く、興味深い仕事だと感じます。
相地 先輩と2人で作業をするんですが、まだ、私のできる範囲の作業をしているだけで、先輩に助けてもらってばかり。まだまだですね。
--山仕事は男でも大変ですが、苦労したことは。
深谷 初めのころはすぐにバテていました。だけど、汗を流す仕事は気持ちがいいし、他の仕事より本当に楽しい。
相地 山に入るのは楽しいから大変だと思ったことはありません。でも先日、山の中で滑って転んで、手首を骨折しました。けがをすると、この仕事は何もできません。治るまで1カ月間、本当につらかった。
--休みの日は、どんなことをしているんですか。
深谷 世界史が好きなので、歴史の本を読んだりしています。他には、豊田森林学校でも森のことを学んでいます。
相地 都会の人に山の現状を伝えたいので、自然保護団体の活動を続けています。
--2人とも本当に森が好きなんですね。目標は。
深谷 この仕事は本当にやりがいがあります。早く先輩のように、てきぱきと仕事をこなせるようになりたい。そのために地道に仕事を覚えたい。
相地 測量の仕事は楽しいし、山の空気はとても気持ちいいんです。早く一人前になり、生命力があふれる森づくりをしたい。ずっとこの仕事に携わりたいですね。
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■人物略歴
◇ふかや・さちよ(左) 刈谷市出身。中部大学日本語日本文化学科を卒業した後、派遣会社や中小企業で約4年働いた。
◇そうち・りえ(右) 県立愛知商業高校情報処理科卒。トヨタ自動車に入社し、第2エンジン技術部に勤務した。