ID　：　13494

公開日　：　2009年 10月　8日

タイトル

エコ＆シンプルな鳩時計 深澤直人デザインで間伐材製

新聞名

スマートウーマン

元URL.

http://woman.nikkei.co.jp/news/article.aspx?id=20091005ax025n1

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間伐材を利用した、素敵なデザインの「鳩時計」が10月28日～11月10日、伊勢丹新宿店で展示・販売される。森林保全団体「more trees（モア・トゥリーズ）」のオリジナルプロダクトとして、世界的プロダクトデザイナーの深澤直人氏がデザインを担当した。50組のアーティストやデザイナーがカスタマイズした作品も展示・販売される。

深澤直人氏がデザインした「鳩時計」


　more treesはミュージシャンの坂本龍一氏が主宰する森林保全団体。2007年７月に坂本氏はじめ、細野晴臣、高橋幸宏、中沢新一、桑原茂一の５人の発起人と各界から100人以上の賛同人を得て設立された。深澤氏はその賛同人でもある。今回の鳩時計の売り上げの５％はmore treesに寄付されて、森林保全活動に役立てられる計画だ。

タナカカツキ氏がデザインした「鳩時計」


　日本の森林のうち、スギやヒノキなどの単一林は、定期的に間伐や下草刈りなどの手入れをしないと、健全な状態を保てない。間伐は森を維持する上で欠かせない作業と言える。こうして生まれた間伐材を「森の恵み」と考えて、今回の鳩時計は制作された。深澤氏は家電、生活雑貨ブランド「±０」のデザイン、「無印良品」壁掛け式ＣＤプレーヤー、「au/KDDI」携帯電話「INFOBAR」「neon」などのほか、イタリア、ドイツ、フランス、北欧の家具デザインなど、幅広い分野でのデザインを手掛けている。
　木のぬくもりが詰まった、シンプルなたたずまいだ。「鳩時計の装飾的な部分を取り去ってシンプルな巣箱のようなものにしようと思った（中略）結果的に超ミニマルな鳩時計ができたのがおかしくて笑ってしまった」と、深澤氏は制作コンセプトを語っている。文字盤の時刻表示や長針・短針も同じ間伐材でこしらえた。もちろん、時を告げる鳩も木製だ。

東信氏の鳩時計デザイン画


　この深澤氏モデルをオリジナルデザインとして、カスタマイズ版を50組のアーティストやデザイナーが制作した。それぞれのオリジナリティーを生かした思い思いの工夫を凝らしている。同期間内に同じ伊勢丹新宿店で展示・販売される。
　価格は深澤氏モデルが１個３万1500円（期間限定価格）。カスタマイズ版のうち、40種あるアートピースタイプは１個６万3000円（限定各１個）、10種ある受注生産のクリエーションタイプは５万2500円（限定各30個）。
ミントデザインズの鳩時計デザイン画


　鳩時計はウォールナット製で、時計ムーブメントはクォーツ式。深澤モデルの初回制作個数は100個だ。
　本館５階リビングフロアと本館１階のショーウィンドーで展示・販売する。本館１階のショーウィンドーでは10月21日～11月10日、11組のクリエイターが手がけたカスタマイズ作品がウインドー１面ずつに展示される。毎時０分と30分になると、展示中の鳩時計が一斉に鳴り響く。参加したクリエイターは深澤氏のほか、ワカマツタダアキ（Q-pot.デザイナー）、203GOW（編み師）、ミントデザインズ（ファッションデザイナー）、森本千絵（アートディレクター）ら11氏・グループ。

ワカマツタダアキ氏の鳩時計デザイン画


　本館５階リビングフロアでは10月28日～11月10日、深澤モデルとカスタマイズ版が展示・販売される。ファッションブランド「ミナ ペルホネン」の皆川明氏や、アーティストの日比野克彦氏らも参加している。
　more treesは９月、ラグジュアリーブランドの「ルイ・ヴィトン」と共同で、長野県小諸市の浅間山麓に「ルイ・ヴィトンの森」をつくるプロジェクトをスタート。これまでにも森林再生事業をはじめ、エコバッグのチャリティー販売や、チャリティー写真展などにも取り組んできた。伊勢丹は「KISS the Earth 人に地球に優しいキス、を。」を掲げ、地球環境保護をテーマにしたチャリティーキャンペーンを続けている。

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