ID : 13036
公開日 : 2009年 9月 1日
タイトル
木材ガンズ、エルダーズ子会社を買収へ
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新聞名
yahoo
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元URL.
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090901-00000009-nna-int
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元urltop:
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写真:
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タスマニア(TAS)州に拠点を置く木材ガンズは8月31日、2008/09年度決算を発表するとともに、地方産業大手エルダーズ(旧フューチャリス)の100%子会社である植林会社ITCティンバーを買収するため
に総額1億4,500万豪ドルの増資を実施することを明らかにした。一方、農地買収を進めてきた農産物関連商品(ソフトコモディティー)を取り扱うプライムAgも同28日に08/09年度決算を発表し、430万豪ドルの損失を計
上している。(電子版)が報じた。
ITCティンバーの時価総額は1億豪ドル。ガンズは調達した1億4,500万豪ドルの一部をITCティンバーの買収に充てる見通しだ。今回の増資計画では、株主に対し保有株4株につき新株1株を90豪セントで発行する。取
引停止前のガンズの株価は1.145豪ドルだった。同社は増資計画について、「ITCティンバー以外の植林事業買収や、借り入れ返済にも役立てる」と説明している。
ガンズはITCティンバーの買収を通じて、ビクトリア州とTAS州にそれぞれ2カ所ずつある製造工場のほか、広葉樹専門のフォレスト・エンタープライゼズ・オーストラリア(FEA)との合弁事業スマートファイバーの権益5
0%を取得する。買収後には、税・利子引き前利益(EBIT)で約2,000万豪ドル相当の効果に期待できるという。
ガンズのゲイ会長は、自社の戦略の上で重要な地域に製造工場を持つことができると評価し、「事業規模を拡大し、豪州国内と東南アジアでの流通拠点を広げることができる」とコメントした。
ただし同会長は、木材製品事業の見通しは今後も厳しい状況が続くとの見方を示している。同社が発表した通期決算では、純益が前年度比4.9%減の5,620万豪ドル、売上高も同10.7%減の7億6,934万豪ドルと伸び悩ん
だ。
ゲイ会長は減益の背景について、植林大手グレート・サザンや農業関連投資企業ティンバーコープの破たんによって管理投資制度(MIS)の売り上げが大きく打撃を受けたと指摘。しかし、MIS制度が再構築されれば、ガ
ンズの植林事業拡大に多大な好機をもたらす可能性があると前向きな姿勢を示している。
同会長はまた、製紙材料となる木部繊維の今後の売り上げについて、「日本市場と経済状況に左右され、7~9月期には低迷状態が続くだろう。豪ドル高も悪影響を及ぼす」との見通しを示した。ただ、木材製品の需要に
影響する国内の建設市場や輸出が、1~3月期に落ち込んだ後4~6月に安定し、今年度中に徐々に回復すると予測している。
6月に合弁相手を絞り込んだと発表していたTAS州北部ローンセストンのベルベイ(Bell
Bay)のパルプ工場については、現在も候補企業と積極的に交渉を進めており、借り入れについても金融機関と話し合いを持っているもようだ。
ガンズの6月末時点での負債総額は6億5,430万豪ドルで、ギアリング(自己資本と他人資本の割合)は約33%。最終配当は前年同期から半分の2豪セントに引き下げられ、通期では4豪セント(前年度10豪セント)となる
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なお、エルダーズも同日に取引停止に入っており、約2億5,000万豪ドルの増資を含む資本再構成計画を発表するとみられている。同社は8月に、保険事業エルダーズ・インシュアランスを保険大手QBEインシュアラン
ス・グループに総額2億7,000万豪ドルで売却したほか、QBEがエルダーズ株12%を4,500万豪ドルで取得することで合意していた。
■プライムAg、損失も回復見通し
一方、プライムAgは同28日、08/09年度決算で430万豪ドルの損失を計上したことを明らかにした。
同社は07年に3億豪ドルの資金調達に成功して以来、2億5,000万豪ドル以上の地方部の不動産を買収。6月にはクイーンズランド州のエメラルド地方の土地1,020ヘクタールを750万豪ドルで購入し、穀物生産地を拡大
したばかり。今後も積極的に不動産を獲得する方針を示している。
同社は損失の理由として、不動産資産の260万豪ドルの評価減とかんがい用水管理権の120万豪ドルの価格下落を挙げている。
コーベット最高経営責任者(CEO)は、今年度は農作物価格が回復し、コストも減少すると予測。これにより同社の業績も回復すると自信を見せており、10/11年度の業績見通しを1,660万豪ドルとしている。