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ID : 12820
公開日 : 2009年 8月10日
タイトル
「樹と木に関するガセネタ」を紹介
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/tottori/news/20090810ddlk31070276000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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3月23日に社会面に掲載された4段見出しの記事を覚えている読者も多いと思います。県職員は林業試験場にあるコンテナ型の木材乾燥機内で作業中に出入り口のドアが開かなくなり、閉じ込められて亡くな りました。この県職員は産官学の木工加工業関係者でつくる「県木材工業研究会」の事務局を務めていたことから、県職員を追悼する同研究会の例会が7月21日、鳥取市尚徳町の県立図書館で開かれました。
 例会では県職員を追悼し、参加者全員が黙とう。その後、講師として招かれた森林総合研究所(茨城県つくば市)の研究コーディネータ、林知行さんの講演が始まりました。
 この日は、研究会の会員以外の参加も呼び掛けたためか、テーマは「知って得する・人に教えたい 木と建築の知識」と専門家以外にも理解しやすい内容でした。
 林さんは一般に信じられている、年輪の広い方が南側である▽正倉院には湿度調整機能がある▽世界最大の木造建築は東大寺大仏殿である▽樹木は生きている--など「樹と木に関するガセネタ」を紹介しました。
 年輪については、いろいろなパターンの切り株をスクリーンに映し出しながら、「全くのデタラメ」と一刀両断。「木はバランスよく育とうとするため、南側に栄養が偏ることはない。原因ははっきりしないが、方角と年輪の 幅に因果関係はない」と断言しました。正倉院については、「木は密着しており(膨張や収縮して)すき間ができたりはしない。湿度の調整機能があるのは、床や天井、屋根が特に気密性がなく、通風が良かったからだ」と 説明しました。
 また、「世界最大の木造建築はおそらくアメリカオレゴン州にある飛行船の格納庫。60年以上も前に造られ、東大寺大仏殿が五つ、六つ入る大きさだ」とし、樹木についても「ほとんどが死んでおり、生きているのは樹皮 の内側で細胞分裂を繰り返して成長している『形成層』と栄養分を蓄えている組織の『柔細胞』だけ。他が死んでしまうのは、生かしておく必要がないから。生存競争に勝ち抜くには、生きている必要のない細胞まで栄養 をまわす余裕はない」と説明しました。
 中でも、「木を伐(き)って使うことは、環境破壊だ」とする考え方について、「樹と木に関する最大のガセネタ」と指摘。「木はある程度年月がたつとCO2(二酸化炭素)を吸収する能力は頭打ちになるが、木を伐ってや れば新しい木が成長して新たにCO2を吸収し、地球温暖化防止に役立つ」と解説。そのうえで、「上手に木を植え、上手に木を伐り、それを上手に使うことが、結果として地球環境の保全につながる」と話しました。
 「常識を疑ってみる」。日常流布されている考え方を盲目的に信じることなく、健全な懐疑精神を持つことが大切だと思いました
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