ID : 12782
公開日 : 2009年 8月 5日
タイトル
研究の現場から:水不足解消へ間伐の効果探る 戎信宏・愛媛大農学部准教授
.
新聞名
毎日新聞
.
元URL.
http://mainichi.jp/area/kochi/news/20090805ddlk39040728000c.html
.
元urltop:
.
写真:
.
愛媛県は今年も水不足に見舞われた。人工林で良材を作るために必要な間伐や枝打ちには、山林の保水力を増す効果もある。愛媛大農学部の戎信宏・准教授(53)=森林水文学=は同県大洲市の肱川中流
域に気象観測タワー(36メートル)を建て、03年から森林の「遮断蒸発量」を測定し、間伐などの水源かん養効果を確かめる、四国では珍しい研究を進める。
遮断蒸発量とは森林に降る雨のうち、地面に落ちず葉から直接蒸発する量のこと。実験地では年間降雨量の4分の1程度とみられ、間伐などにより数%減らすことができる。松山市の石手川ダムの場合、全流域で間伐
を進めると、蒸発せずダムにたまる水が2割程度増えるとの試算もある。
間伐や枝打ちをどのように進めれば山の保水力が増すかは今後の課題。保水力増大と土砂災害防止、良材を作るための作業の在り方はそれぞれ違うとみられ、戎准教授は「これらの兼ね合いを調べて林業者に伝えた
い」と意気込む。