ID : 12445
公開日 : 2009年 7月 8日
タイトル
森林整備:林野庁、生物多様性も指針に 生態系の監視強化
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/select/science/news/20090707dde007010066000c.html
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元urltop:
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写真:
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国土の7割を占める森林の整備政策で、林野庁はこれまで重視してきた木材生産、災害防止、地球温暖化防止の三つの指標に加え、生物多様性を新たな指標にする方針を固めた。来年度の概算要求に関連
予算案を盛り込み、11年ごろに改定予定の国の森林整備の指針である「森林・林業基本計画」に、外来種を含めた生態系の監視体制の強化や動物の生息地の保護対策など生物多様性の視点を本格導入する考えだ。
間伐は樹木の成長を促すほか、下草をよく茂らせ昆虫や小動物の餌場を作り出す。しかし、生物多様性に配慮して伐採する木を選ばないと、鳥の営巣木を奪いかねない。また、全国の約1割の森林で、増えすぎたシカ
による食害が発生し、樹木が枯れ土壌流出も起きている。生態系保全が災害対策や温暖化防止の上でも問われるようになった。
そこで、林野庁は昨年12月、研究者や森林所有者らでつくる検討会を発足、森林整備のあり方の見直しに着手した。
その結果、原生的な天然林、里山林、人工林など森林のタイプに応じて分布する生物が異なると判断。これまで不十分だった森林生態系のデータ蓄積が急務と結論付けた。希少な動植物の生息状況に加え、外来動植
物の有無やシカによる食害、昆虫や小動物の生息場所である枯木の分布など多様性にかかわる指標について継続調査し、得られたデータをもとに間伐や植林などの計画を練っていく。