ID : 12025
公開日 : 2009年 6月 8日
タイトル
リーン・割安、木材に期待 脱「化石燃料」へ高まる存在感
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新聞名
フジサンケイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200906080033a.nwc
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元urltop:
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写真:
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二酸化炭素(CO2)排出の削減が叫ばれるなか、燃料としての木材が注目を集めている。
スウェーデンのバッテンフォールや独RWE、米エレクトリック・パワーなど電力会社は、一部の発電所で燃料として木材チップなどを使い始めた。木材は再生可能で石炭より割安だからだ。
しかも温室効果ガス排出の許可を取る必要もない。これまでのところ、木材発電の増加が紙の価格や森林破壊に影響を与えることもないようだ。
独ノブス・エナジーもハンブルク北郊の発電所で木材を燃料に発電、石油化学会社トタールSAに供給している。同社のハインリッヒ・ウンラントCEO(最高経営責任者)は「燃料としての木材の重要性は急速に増してい
る。数年以内には石油のように世界で取引される商品となるだろう」と話した。
IEA(国際エネルギー機関)によると、バイオマス燃料による発電、発熱は20年間で25%増加した。2006年に先進工業国が生産したエネルギーで、バイオマス燃料を使用した割合は4%。これは石油11億バレルで
生産するエネルギーに相当する。
EU(欧州連合)の規則では、木材は光合成によるCO2の吸収量と、焼却によるCO2の排出量が同量だとされ、これを燃料にする場合に電力会社は排出許可を取得する必要はない。木材発電電力が供給されるトター
ルは今年、9400トン分の排出権購入の費用を削減することができた。
オバマ米大統領のエネルギー政策アドバイザーを務めるブラッケン・ヘンドリックス氏は「化石燃料からの脱却を進める上で、木材は非常に大きな役割を担うだろう。またクリーン・エネルギーへの移行に伴うダメージも
和らげてくれる」と述べた。
FAO(国連食糧農業機関)は欧州では1人当たりのバイオマスに由来するエネルギー使用量は、20年までに現在の3倍になる可能性があるとみている。