ID : 11803
公開日 : 2009年 5月22日
タイトル
国産杉の間伐材で車止め 都内2カ所
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新聞名
MSN産経ニュース
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元URL.
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/tokyo/090520/tky0905201511001-n1.htm
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写真:
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全国でコインパーキング事業を展開する「エコロシティ」(新宿区)が開発した環境に配慮した間伐材の車止めが業界に新風を呼び込んでいる。今月から台東区と江東区の都内2カ所で展開したところ、同業
者や土地所有者から問い合わせが殺到。今後は月産1000本ペースを予定し、同社の野上勝俊社長(51)は「これから造る駐車場はすべて木の車止め。環境を柱に社会的意義で勝負したい」と意気揚々だ。
材料の間伐材は、秋田など国内産の杉。人手不足で山林整備が進まない上、間伐材を山から下ろすコストもかかるため山林に放置、腐敗し温暖化ガス排出源となるケースが多かったという。
エコロシティの子会社「エコロテック」がこれらの間伐材を買い取って防腐、防虫処理。ボルトで路面に固定して周りをモルタルで固めて鉄製に劣らない強度を確保した。1本当たりのコストは鉄製の約半分という。
林野庁によると、国内の山林には毎年、2000万立方メートルもの間伐材が放置されている。このため、同庁は昨年、平成24年度までの時限措置で、間伐の実施、化石燃料に代わる間伐材利用を促進する総額1238
億円の基金を創設した。都道府県レベルでは商品開発に対する補助も期待でき、「間伐材市場はどんどん広がっていく」(都内材木加工会社)。
「駐めることがエコロジー」を掲げるエコロシティも、温暖化ガス排出削減プロジェクト「チーム6%」に参加。車止めのほか、全パーキングでLED看板照明を導入している。不景気で土地活用目的のコインパーキング市
場競争が激化するなか、「エコ」で他社との差別化を図る狙いもある。間伐材車止めは、今後は同業者へも販売。電気自動車の本格的な普及もにらみ、安価な充電スタンド開発予定という。