ID : 11761
公開日 : 2009年 5月20日
タイトル
個人林家:県、今年度から支援 木材搬出で間接補助、森林整備促進へ
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/kochi/news/20090519ddlk39010622000c.html
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元urltop:
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写真:
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県は今年度から、山林を所有し、自ら間伐などの手入れをしている個人林家を支援する事業に乗り出す。切り出した木材の搬出に間接的に補助するもので全国的にも珍しく、林家の所得向上と森林整備の
促進につなげるのが狙い。加えて、他に仕事を持ちながら森の整備を担う「副業型林家」の育成も支援する。
林業を巡っては、安い外材の輸入などにより、国産材の価格は約30年前の3分の1までに下落。木材価格よりも伐採から搬出までのコストが高いため、採算が合わなくなっている。戦後植えられた杉やヒノキの人工林は
放置されたままで、水源涵養(かんよう)機能の低下などが問題となっている。
県はこのような問題解決のためには中山間地域で人々が生活できる仕組み作りが必要と考え、個人林家を支援することにした。今年度は約2000万円の予算を計上。(1)林家が林道脇などまで運んだ木材を集荷(2)
用途別に仕分け(3)木材加工場に搬入--といった(1)~(3)の各段階ごとに各2000円を森林組合に補助する。
補助を直接受けるのは森林組合だが、個人林家にとって最も負担となる木材搬出作業を森林組合が担う分業体制を確立することで、山林所有者が自らの山の整備に専念できるようになる。また、搬出できた木材が売
れれば、林家の所得向上にもつながる。
さらに、副業型林家の育成に約225万円円を計上し、NPOで活動する森林ボランティア団体に助成。会社勤めをしながら週末だけ山の整備に通う人や、間伐などの手入れをしていない山林所有者らを対象に、チェー
ンソーの使い方や木材の搬出方法などの技術を習得してもらう。
県林業振興・環境部は「中山間地域の活性化に向け、個人林家にもスポットを当てる必要がある。収入が得られる仕組みを作り、林家の意欲を引き出していきたい」と話している。