ID : 11726
公開日 : 2009年 5月18日
タイトル
CO2排出量取引「カーボンオフセット」 道、来年度導入目指す
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/165765.html
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元urltop:
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写真:
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道内の小規模工場などが削減した二酸化炭素(CO2)排出量を、製造業など環境負荷の高い事業を担う企業に譲る代わりに、植樹費用を負担してもらう「カーボンオフセット」制度を道内で本格導入するため
、道は本年度から検討作業に入る。来年度のスタートが目標で、森林整備とCO2削減だけでなく、道内企業の環境意識の向上につなげたい考えだ。
道水産林務部によると、「カーボンオフセット」は欧州各国が積極的に導入。長野県や上川管内下川町、網走管内美幌町などで実験的な取り組みが進められているが、具体的な取引が行われるまでには至っていない。
道が描くモデルは、道内の小規模工場が燃料を灯油などから、植物由来のためにCO2の排出量がゼロとみなされる木質ペレットやチップに転換してCO2削減枠を生み出し、重工業や食品産業、運送業など環境負荷の
高い事業を担う企業に仲介。譲り受けた企業が森林整備費を負担し、道内全体のCO2の削減と温室効果ガスの吸収量の増加を実現する仕組みだ。
道は、CO2削減を図る事業所については、小規模工場のほか、農業用ビニールハウスや温泉施設なども想定。道は削減枠を生み出した事業所や農家から一時的に削減枠を預かり、企業との仲介役を務める。
道は近く、制度設計委員会を立ち上げ、事業の具体的な仕組みづくりに着手する。CO2削減量と引き換えになる植樹費用の算定方法や参加企業の募集方法などを決めていく。
道は来年度から具体的なカーボンオフセットの仲介に入りたい考えで、道森林計画課は「カーボンオフセットの理念をわかりやすく理解してもらい、道内各地で広がるようなシステムに育てたい」と話している。