ID : 11592
公開日 : 2009年 5月 3日
タイトル
上伊那森林組合ペレット事業 販売量右肩上がり
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新聞名
nagano-np
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元URL.
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=14172
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元urltop:
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写真:
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上伊那森林組合(井沢通治組合長)が2003年度から取り組むバイオマス(ペレット)事業が、08年度決算で黒字に転換した。ペレットを燃料に使うストーブやボイラーの設置数の増加に伴ってペレットの販売
量も右肩上がり。組合では「ペレットの需要を喚起するためにも、さらにストーブやボイラーの普及に力を入れたい」(井沢組合長)と話している。
組合のバイオマス事業は、森林整備で出た間伐材の有効利用を図るため、伊那市高遠町上山田にペレット製造工場を建設。04年1月から本格的なペレット生産を始めた。
販売量は04年度の362トンから年々増え続け、08年度は1200トンの目標に対して1177トンを販売した。ペレットの製造販売、ストーブやボイラーの販売などを含めたバイオマス事業は、工場設備の減価償却など
もあるため赤字が続いていたが、昨年度は事業全体として初めて58万円余の黒字になった。
ペレットの販売増には、ペレットを燃料として使うストーブやボイラーの普及が不可欠だ。上伊那地方では、伊那市が新設の美篶保育園などにペレットボイラーを導入しているほか、みはらしイチゴ園では試験的ながら
ハウス暖房用にボイラーを導入。県施設でも稲荷山養護学校や西駒郷などに導入された。
組合によると、上伊那地区の一般家庭向けのペレット販売量も、04年の18トンから昨年は3倍以上の57トンまで増加。「一般家庭でも確実にペレットストーブを設置する人が増えている」という。
組合では今年度のペレット販売目標を1500トンとし、昨年度より300トン余りの増加を目指すが、ペレット工場の生産能力は1日7時間稼動で年間1750トンある。このため、さらにペレットの利用を増やすために、スト
ーブやボイラーの普及にもより力を入れていく方針だ。
組合では“本業”の森林整備で、国の補助制度などを活用して搬出間伐に力を入れており、「ペレットの普及で搬出間伐材の有効利用が進んでいけば、山の所有者に少しでも利益が還元できるようになる。バイオマス
事業として確かな方向に歩み始めている」(森敏彦参事)としている。