ID : 1134
公開日 : 2006年 6月 2日
タイトル
環境汚染なお深刻 中国が10年ぶり白書発表
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/00/kok/20060606/mng_____kok_____002.shtml
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元urltop:
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写真:
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中国国務院(政府)は5日、「中国の環境保護(1996-2005)」と題した白書を発表した。白書発表は10年ぶりで「環境保護にたゆまぬ努力をしているが情勢は厳しい」と、なお深刻な環境汚染が続いてい
ることを認め、10年までに経済成長を維持しつつ、汚染物排出総量を10%削減し、森林被覆率を20%に増やす目標を掲げた。
白書は、国内総生産(GDP)当たりの汚染物質排出量は95年に比べ、04年はおおむね7-4割に削減。都市部では同年末で下水処理率が46%、ごみ処理率が52%に達し、農村部では飲料水の確保や衛生面で問題が
あった6700万人分以上を解決した成果を強調している。
また耕地をやめて植林する「退耕還林」プロジェクトなどで森林被覆率は2000年の16・55%から18・21%に向上。荒れて砂漠化した土地も99年に比べ4万4000平方キロ減少し、04年末で約438万平方キロに
なったという。
中国政府は98年に環境保護部門を局クラスから省クラスに格上げし、この10年で12万近い企業を資源の浪費や環境汚染していたとして閉鎖や統合、改善などの措置を取った。地球温暖化防止のための京都議定書
などの国際条約も批准しており、非政府組織(NGO)も1000あまりが誕生している。
しかし昨年、中国東北部を流れる松花江が化学工場の爆発で汚染された際、地元政府はその事実を数日後に初めて公表するなど情報公開の意識は低い。また森林被覆率も世界平均の3割弱にまだまだ遠いのが実情
だ。
会見した国家環境保護総局の祝光耀副局長は「成果は比較的大きいが情勢は楽観できず、任務は極めて困難だ」と総括、経済発展を維持しながら環境保護の重要性を訴えた。