ID : 11365
公開日 : 2009年 4月17日
タイトル
「廃止」の団体に警戒感 県出資法人改革 県議会検討会
.
新聞名
下野新聞
.
元URL.
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20090416/136812
.
元urltop:
.
写真:
.
県議会の県出資法人あり方検討会(板橋一好会長、十二人)は二十四日に初会合を開き、県が出資や職員を派遣している三十二法人の改革について、本格的な議論を始める。最大の焦点は既に進んでいる
各会派ごとの議論で、自民党議員会が廃止に言及した県森林整備公社など四法人に関し、どのような意見集約がされるかだ。法人側は表向き静観しているが、警戒感は強い。同検討会は九月までに大筋の結論を出し、
年末には県議会議長に報告書を提出する予定だ。
組織の廃止が取りざたされている四法人のうち、約二十二億円の長期債務を抱える県森林整備公社は議論の象徴的な存在だ。自民党議員会が唯一、一致して「廃止」を打ち出した。
山林所有者から預かった「分収林」の経営が同公社の主な事業。昨年度からは県民税による奥山間伐も事業の柱に加わった。最近では製造業の不況で雇用の受け皿としても林業が注目されている。
同公社の立壁敏夫理事長は「やり玉に挙げられている。分収林経営が赤字だからつぶせというのは短絡的過ぎる」と言う。
同公社と関係が深い県治山林道協会は自民党議員会の一部から「組織の存在意義は認められない」との意見を突き付けられた。同協会の青木一栄常務理事は「森林の整備保全が期待されている今、事業の拡充強化が
必要だ」と逆の主張を展開する。
同検討会は改革の基本的な方向性をまとめた昨年度の「企業局事業等あり方検討会」の議論を引き継ぐ。昨年度の時点で存続が十二、統合が十二法人。残る八法人は意見がまとまらず「廃止を含めて検討する」とされ
た。新検討会は法人の存廃のほか、統合の形についても意見を交わす。
これとは別に執行部も独自の見直し基本方針を決め、既に一部を実行している。だが組織の廃止まで打ち出した事例はない。県行政改革推進室は「廃止しなければならないほど財政状況が悪化している組織はない」
。
こうした対応に甘さがあるとして発足したのが、企業局事業等あり方検討会であり、それを引き継ぐ本年度の県出資法人あり方検討会だった。引き続き会長を務める板橋氏は「出資法人には県職員OBが多数いる。思
い切りが足りないと議会側は感じていた。執行部を動かすに耐えうる議論をしたい」と、大なたを振るう構えだ。
三十二の出資法人の役職員総数は約千三百人。このうち約三割が県職員OBと県からの派遣職員で、残りはプロパー職員(二〇〇七年四月現在)。県治山林道協会は二十一人の役職員のうち、十八人をプロパー職員が
占めている。法人廃止の方向で議論が進めば、人の問題に行き着く。
自民党議員会で実質的な議論の取りまとめ役となり、新検討会で副会長に就任した野田尚吾氏は「抵抗はあるだろうが、厳しい県財政で赤字垂れ流しは見過ごせない。(雇用の問題などを工夫して)ソフトランディング
させるのも政治の役割」と話している。